横浜F・マリノスのFW宮市亮(29)が、アウェーの浦和レッズ戦でJ1初ゴールを決めた。

2-0の前半30分、FWアンデルソン・ロペスのスルーパスを受けてペナルティーエリア内でボールを持つ。対峙(たいじ)したDFを落ち着いて見て右足を振り抜き、カーブをかけたシュートをゴール右隅へ決めた。

「日ごろから練習している形でゴールできた。サポーターのみなさんには『お待たせしました』と言いたい」と振り返った。

宮市は1-0の前半19分には、左サイドからのピンポイントクロスでアンデルソン・ロペスの追加点をアシストしていた。「ロペスとも話し合っていた」と、これも練習を重ねてきた形だったと納得の表情を見せた。

中京大中京高から18歳で名門アーセナル入りした「ワンダーボーイ」。しかし、数多くのけがに悩まされた。19歳で、右足靱帯(じんたい)損傷を2度。15年からプレーしたブンデスリーガ2部ザンクトパウリでは1年目に左ひざ、2年目に右ひざの前十字靱帯(じんたい)を断裂した。他にも肩の負傷などもあり、シーズンを通じて満足にプレーできないことが多かった。

昨夏、ザンクトパウリから自身初めてとなるJリーグ入り。完全移籍した横浜で昨季はリーグ戦2試合の出場にとどまったが、今季は7試合目の出場だった。

「怪我をしてきたキャリアで試合時間をいただけていることはうれしい」と率直な心境を語り、「メディカルがすばらしいケアをしてくれた。けがもなく、幸いなことに時間をもらっていてコンディションも上がっている。先を見ずに1日1日やれることをやって。チームに貢献できるよう頑張りたい」と言葉似力を込めた。

この日は前半19分にチーム2点目を左サイドからの正確なクロスでアシストするなど、前半だけで2点に絡む活躍を見せた。一方でチームは後半に3点を返され、3-3の引き分け。後半途中に退いていた宮市は試合終了の笛がなると両手で頭を抱えた。

「追いつかれてしまった悔しさが残る。負けに等しい引き分けだが、最後に『この引き分けがあったから』と言えるシーズンを送りたい」

下を向くことなく、次のゴールと勝ち点3を目指す。【岡崎悠利】