高円宮杯U-18サッカープレミアリーグ・プレーオフが9日、広島で開幕する。

プリンスリーグ北信越1位帝京長岡と、同2位日本文理が昇格に挑む。日本文理はBブロック1回戦で京都サンガU-18(関西2位)と対戦する。プレーオフ初挑戦のチームを支えるのはアンカー石沢賢汰(3年)。スタミナ、ボールを奪う技術を中盤の底で発揮し守備を支え、攻撃では正確なパス、ロングスローで好機を演出する。1回戦を突破し、次戦11日の旭川実高(北海道1位)に勝てばプレミアリーグ初昇格が決まる。

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とびきりのスマイルで石沢が、日本文理をU-18世代最高峰リーグ入りに導く。「歴代の先輩方のおかげで挑戦権を得られたと思っている。どれだけやれるか。全力でぶつかりたい」。

驚異的なスタミナとボール奪取力が武器。前線からの守備を特長とするチームを中盤の底で操る。包囲網をかいくぐってきた相手には猛スピードで間合いを詰め、ボールを奪い取る。「1対1ではなく、2対1の状況を作ることを意識している」。パスを出した後は相手のカウンターに備えたポジショニングを意識するなど、攻撃時でもリスク管理を徹底する。「本来は前のポジションだけど我慢。自分の役割に徹します」。

豪雪地、中魚沼郡津南町出身。中学卒業まではクロスカントリースキーに取り組むなど雪も“味方”にたくましさを培った。「スタミナや足腰が強くなったし、最後まで粘り強く、という部分はかなり鍛えられた」と言う。攻撃のオプションとなっているロングスローはゴールのファーポストまで飛ばす。「大自然で育ったので、自力がある。連戦でも何本も飛ばせます」と笑う。

初戦を勝ち上がれば、11日に旭川実高と対戦する。「1個上(の世代)がプリンスリーグ(北信越)に上げてくれ、たくさんの経験をさせてもらえた。もっと文理が強くなるため、僕らもそれに続きたい」と気合十分。初昇格をつかみ取り、5大会ぶり出場の全国選手権(28日開幕)に弾みをつけるためにも、石沢がピッチを駆け回る。【小林忠】

◆石沢賢汰(いしざわ・けんた)2004年(平16)7月15日生まれ、新潟県津南町出身。兄の影響を受け3歳でサッカーを始める。津南小ではFC津南ウィングス、津南中教校ではFC Artistaに所属。日本文理入学時は一番下の4部カテゴリーからスタート。2年時にサイドバックからボランチにコンバートされ、今春にトップチーム定着。167センチ、63キロ。利き足は右。

◆高円宮杯U-18プレミアリーグプレーオフ 本年度はプレミアリーグ東西各10位チームと、プリンスリーグ9地域の成績上位の計16チーム(北海道2、東北1、関東2、北信越3、東海1、関西2、中国2、四国1、九州2)が参加。18チームを6ブロックに分け勝ち抜き戦を行い、各ブロック1チーム計6チームの勝者を決定する。プレーオフを勝ち抜いた6チームには次年度のプレミアリーグに参入する権利が与えられる。