東地区で東京Vが、東京を0-0からのPK戦で4-2と下し、18年ぶりの東京ダービー勝利となった。城福浩監督(65)は過去に東京も指揮しており、両チームでダービーの白星を挙げた初の監督となった。横浜は川崎Fに5-0で大勝。首位の鹿島は千葉を2-1で下し、7連勝となった。西地区では京都が名古屋を、C大阪は神戸をそれぞれPK戦で下した。
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セレッソ大阪がヴィッセル神戸をPK戦の末に下した一戦は、互いが策によって流れを変える見応えあるものとなった。
C大阪はこれまでトップを務めてきたFW桜川ソロモンがベンチスタートで、164センチのMF本間至恩と161センチのMF柴山昌也の小兵2人が前線に並ぶ“ゼロトップ”の布陣。右サイドのMF阪田澪哉や左のFWチアゴ・アンドラーデとも流動的にポジションを入れ替えながら、神戸のアンカー扇原貴宏の脇スペースでボールを受けてはスルーパスを通した。神戸の想定になかった“奇襲”に柴山は「タイミングよく落ちてボール触って、また前に出てと、相手の目線をずっと変えながらプレーした。人が動いて空いたスペースにタイミング良く入っていくっていうのがみんなできていたから、楽しかった」と手応え。アーサー・パパス監督は「昨日トレーニングしたことを出したことで、相手に問題を突き付けることができた」と作戦通りの戦いに胸を張った。
秘策は2日前に指揮官から伝えられ、前日練習で小さなピッチで試しただけの急造のものだった。それ故、本間は「おもしろいなと思ったけど、本当にボールを握れるかなっていうのは正直みんなが思っていたと思う」と話せば、柴山も「正直やるまではどっちに転ぶかわからなかった。自分と至恩くんのところがつぶされたらどうしようもないサッカーなので、ちょっと不安要素もあった」と胸の内を明かした。
それでも試合が始まると、指揮官の思惑通りに神戸に混乱を生んだ。柴山は「やっているうちに(相手が)困ってるなと感じた。距離感良く相手を食いつかせて、ショートパスで崩して、向こうはやりづらかったと思う」話し、2点目こそ奪えなかったが、主導権を握って何度も決定機を作った前半を評価した。
対する神戸も、後半に見事な修正力を見せた。
ミヒャエル・スキッベ監督は「セレッソが持ってきたテンポに、チームとしてあまり対応できていなかった」と前半の劣勢を認めた上で、ハーフタイムで修正に動いた。「相手のFWに対することより、その前のセンターバックにプレスがかかっていたので(前線から中盤に)下りてきた選手のケアが難しかった」と分析すると、「アグレッシブに相手にプレッシャーをかけていくことを徹底して欲しい。相手がコントロールした時に到達するのでは遅い。ボールが走っている間にプレスをかけて、相手がトラップした時にはもうそこにいるという状況を作って欲しい」と要求。これを選手が実行したことで、C大阪に窮屈さを与え、前線の選手に渡る前にカットできる回数を増やして同点につなげた。
試合は1-1からのPK戦決着となったが、両指揮官のイメージを選手がピッチで表現した関西対決は、パパス監督が「戦術的に興味深い試合になった」と話した通りのものになった。【永田淳】



