【マドリード(スペイン)=高橋智行通信員】レアル・マドリードがPK戦の末に準々決勝進出を決めた。アトレチコ・マドリードとのダービー対決は両者の意地がぶつかる激戦となり、2戦合計2-2で延長、PK戦の末に決着した。
第1戦はレアルがホームで2-1と先勝。1点のリードはいとも簡単に消えた。開始早々、アトレチコは持ち味の前へ速い連動した攻撃で仕掛けた。ロングボールを起点に右に開いたMFデポールへ。グラウンダーのクロスボールが入ると、ニアサイドのMFジュリアーノ・シメオネがスルーし、ゴール前に入ったMFギャラガーが右足で押し込み先制した。開始からわずか28秒でゴールを奪い、2戦合計2-2と追いついた。
その後もアトレチコが攻勢をかけた。前半25分には左からFWフリアン・アルバレスが強烈な左足シュート。レアルの守護神クルトワがファインセーブする。同39分にはJ・シメオネのパスから右ポケットを取ったF・アルバレスが右足シュート。ここもクルトワのセーブで事なきを得た。
次の1点を取った方が勝ち上がる展開の中、レアルがボールを保持してチャンスをうかがう。後半23分、自陣からMFカマビンガ→FWビニシウス→MFベリンガムと素早くつなぐ。そこからの縦パスを受けたエムバペがゴールへ向かって仕掛けた。ドリブルで1人、2人とかわしたところで倒される。ペナルティーエリア内、PKとなった。
これを決めれば2戦合計で勝ち越せる大事な場面。エムバペでなくビニシウスがPKキッカーに名乗りを挙げた。その後半25分、ビニシウスのキックはゴール右上へ外れた。絶好のチャンスをミスでふいにした。
両チームともに集中力を切らさず、激しい攻守を繰り広げての消耗戦となった。選手交代を重ねながら一進一退の攻防が続き、2戦合計2-2のまま延長戦に入った。
レアルはビニシウスが鋭いドリブルでゴールに向かうも、アトレチコの食らい付くディフェンスを切り裂くには至らない。ホームサポーターの大声援が後押しする。繰り返しファウルを受けるベリンガムの顔にも疲労の色がにじんだ。
延長後半11分、レアルは最後の5枚目のカードとして切り札ビニシウスを下げ、18歳のブラジル人FWエンドリッキを投入した。アトレチコは5バックでしのぐ。勝負はPK戦に委ねられた。
先行のレアルは1人目のエムバペを皮切りに2人目ベリンガム、3人目のバルベルデが決めた。対するアトレチコも1人目のセルロートが決め、2人目のJ・アルバレスも足を滑らせながら成功。しかし、その後思わぬ判定が出た。軸足がスリップした際にボールに触れており、右足キックが重なる「2度蹴り」が確認され、失敗となった。これが勝負の分水嶺(れい)となった。さらに3人目のジョレンテのキックはクロスバーに直撃した。
レアルは4人目のルーカス・バスケスが失敗したが、5人目のリュディガーのキックはGKオブラクに触られながらもゴールイン。4-2で押し切った。
前回王者がライバル対決を乗り越え、次の準々決勝ではアーセナル(イングランド)と対戦する。

