0・1秒を追求する2年間が始まった。日本陸連は6日、都内でセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)大阪(20日、ヤンマースタジアム長居)へ向けた男子400メートルリレーの練習を公開。日本Aチームとして、16年リオオリンピック(五輪)で37秒60のアジア新記録で銀メダルを獲得した侍4人衆が再結成された。金メダルを狙う20年東京五輪は37秒50以内が目標。今後は実戦経験を増やして、頂点を目指す。

 感動の渦を巻き起こしたリオ侍が再結成された。1走から山県-飯塚-桐生-ケンブリッジの走順を想定し、バトン練習を行った。チームを組むのはリオ以来だったが熟練の連係は変わらない。流れるようなバトンワークを披露した。

 17年世界選手権で代表落ちし、約2年ぶりに日の丸を背負う山県は「2年前を思い出しながら。その延長線上でできた」と言った。リオ侍の中では最年少22歳の桐生も「飯塚さんに甘えてます。楽しくワイワイやっています」と笑った。まとめ役の飯塚は「全員が世界で戦うことを意識している。高め合える仲間」と語った。ケンブリッジは「個人ではライバルですが、一緒に練習することで刺激になる」。トラック外でも笑顔が絶えず、チームワークは抜群だった。

 この4人がリオ五輪で出した記録は37秒60。ただ土江五輪強化コーチは東京五輪で金メダルを取るための目標設定タイムとして「37秒50切り」を掲げる。0・1秒を縮めるため、従来は合宿での強化が中心だったが、今後は積極的に実戦を増やす。レースの緊張感の中で課題を明確にする狙いだ。ジャカルタ・アジア大会(8月)以降は走順やメンバーも模索する予定。同コーチは「トライ&エラーが経験になる」と話した。

 復活したリオ侍はセイコーGGP大阪で日本Aチームとして臨む。藤光、多田らの日本Bチームや昨夏の世界選手権男子100メートル金メダルのガトリン率いる米国や、アジアのライバル中国などと対戦。経験値を高めて、再び世界をぶった斬る。【上田悠太】

 ◆男子400メートルリレー日本代表は7月下旬のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会にも出場する。メンバーはジャカルタ・アジア大会(8月)の代表を中心に構成される予定。欧州をはじめ強豪国が集結する大会で真剣勝負を積む。