<世界陸上>◇4日◇男子マラソン◇クッチェボサン運動記念公園(韓国・大邱)発着の42・195キロ

 堀端宏行(24=旭化成)が、2時間11分52秒で日本勢トップの7位入賞を果たした。99年セビリア大会から続く日本勢の入賞を、7大会連続とキープする価値ある走りだった。

 20キロ付近ではアフリカ勢以外でただ一人、先頭集団についた。22キロ付近のペースアップで離されたが「無理してついて行かず、我慢して落ちてくる選手を一人一人ひろう」の戦略通り、自分のペースを守り順位をアップ。25キロ手前で1けた順位に上げ、最後まで粘り抜いた。

 「順番を上げるというより、公言した入賞のために粘りました。走っている時は順位が分からず、ただ粘るだけでした」と堀端。ゴール直後は「何か全身がしびれている感じで…」と言ったきり、興奮のせいか体を震わせていた。

 全国的には無名だった熊本・八代東高時代に「卒業したら、うちに来ないか」と宗猛監督に誘われて入社。「一番足りないのは欲」と言われ「このままではただの、うどの大木で終わってしまうぞ」とハッパをかけられ続けてきた189センチの大型ランナーが、ようやく大器の片鱗を発揮した。