<全国高校バスケットボール選抜優勝大会:沼津中央85-66東海大三>◇男子2回戦◇25日◇東京体育館

 2年連続2度目出場の男子・沼津中央(静岡)が初の全国制覇へ好発進した。1回戦を勝ち上がり勢いに乗る東海大三(長野)を退けた。第1クオーター(Q)序盤こそリードを許したが、すかさず逆転。第3Qに守り方をそれまでのマンツーマンから得意のゾーンに切り替えると、相手に与えた得点はわずか6。堅い守備から攻撃へのリズムをつくり、一気に突き放した。今日26日の3回戦では能代工(秋田)と戦う。

 36-28で始まった第3Q、沼津中央が爆発した。シェリフ・ソウ(3年)のシュートを皮切りに、鈴木聖也(3年)の3連続を含む6連続ポイントで20点差に広げた。第4Qに入ると、次々とメンバーを交代し、最終的には15人全員が出場。真新しいユニホームでの初勝利を鮮やかに飾り、川口颯(3年)は「着心地MAXです」と笑った。

 ハーフタイムの指示がゴーサインだった。ゾーンディフェンスへの変更。それまでのマンツーマンでは、東海大三の素早いボール回しに振り回されゴール近くへの侵入を許し、競り合う展開にされた。ゴール下を固めることで、相手は離れてシュートを打たざるを得ない。待ち構えるのは、202センチのシェリフ。ただ1人2ケタの25リバウンドで空中を制圧した。相手のシュートがリングに嫌われるたびに、スタンドからため息がもれた。得意の形に持ち込めば、当然とも言える勝利だった。

 杉村敏英監督(62)は「初めからゾーンで守れば楽だったけど」とし、意図を明かした。「明日もマンツーマンでやるから」。今日対戦する能代工を見据えて選手に与えた課題だった。第1回大会から42年連続で出場し20回の優勝を誇る高校バスケ界の雄。ここ3年は4強にも入れていないが「シュートがよく入るし、隙を突かれたら一気に10点、20点取られる」と、指揮官は最も警戒する。昨年、前年王者の明成を破った沼津中央だからこそ、同じことが起こることを理解している。できる限りの準備はした。いざ、最初のヤマ場へ向かう。【石原正二郎】