<全国高校バスケット選抜優勝大会:沼津中央88-69京北>◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

 沼津中央(静岡)が京北(東京)を下し、42回目の大会で県勢初のベスト4に進出した。第3クオーター(Q)まで3点リードの競り合いだったが、第4Qに入ると、シード校で相手より1試合少ないスタミナの差を発揮。開始から9連続ポイントで18得点を挙げ、試合を決めた。今日28日の準決勝は尽誠学園(香川)と戦う。

 試合終了のコートにシェリフ・ソウ(3年)が立っていた。県大会はもちろん、今大会の2試合も最後はベンチで勝利を見届けたエースが、大量リードがありながら40分間走りきった。38得点30リバウンド。「疲れはあるけど、問題ないです」と、練習後も走って磨いた体力に胸を張った。杉村敏英監督(62)は「みんなでいい終わり方をさせたかった」と説明。県勢として初めて8強の壁を破った勢いを次戦につなげた。

 5連戦の折り返しとなる3戦目。これまで3試合同時に行われていた会場は1試合用に変わり、観客の注目も増した。疲労と重圧との闘い。第1Qは動きが硬くリードを許した。第2Qに逆転しても、引き離せば正確なシュートで詰め寄られた。それでも、選手は慌てなかった。昨年、1回戦から勝ち上がりシード校に敗れた選手たちは、1試合少ない体力面のメリットを感じていた。第4Qに疲れが足にきた京北のシュートが乱れ始めると、鈴木聖也(3年)のシュートを皮切りに約6分間、点を取り続けた。前日の13得点から23得点と復調した鈴木聖だが「1本すごく大事なところで外した」と反省が先に口をついて出た。気持ちはもう次戦へ向いていた。

 今日対戦する尽誠学園も1回戦からの勝ち上がりとスタミナ面の有利さはある。それでも、今年史上最年少で日本代表候補に選出された192センチの渡辺雄太(2年)を擁し、2回戦で福岡第一、この日は洛南(京都)と強豪を撃破した難敵だ。さらに、10月の山口国体では、県選抜同士ながら1回戦で敗れた苦い思い出もある。杉村監督は「あとは精神力しかない」と選手の底力に期待した。初の全国制覇へあと80分駆け抜ける。【石原正二郎】