<全国高校バスケット選抜優勝大会:明成84-74近大付>◇男子2回戦◇25日◇広島グリーンアリーナ

 09年以来の頂点を目指す明成(宮城)が初戦に続き苦しんだ。森知史らセンター陣が本調子でない中、SF斎藤拓巳(いずれも3年)の活躍で16強入りした。

 最後まで追い上げられ、明成はピリッとしないまま勝利した。選手たちの顔に笑顔はない。U-18代表で大黒柱の森は「自分は何もできなかった。ガード陣に頼り切ってしまった」と反省しきりだった。

 相手のゾーンディフェンスに苦しんだ。「全員がリングを向いてなくてシューターを探した」とG伊藤尚人主将(3年)。中にボールを入れられず攻め手を欠く中、斎藤が3ポイントや中へのドライブで35点を稼いだ。佐藤久夫監督(63)は「斎藤に固まりすぎ。みんな急性水虫炎!

 じゅくじゅくしてる。スパッと血を出しきって直せばいい」と独特の表現で試合を振り返った。

 日本代表を5人そろえた「タレント集団」で優勝候補にも挙がるが、今大会は勢いに乗れない。だが仙台で2度、明成で1度の優勝経験を持つ名将には余裕がある。この日も後の戦いを想定し、あえて大事な場面で2年生を使った。佐藤監督は「昨日より今日。今日より明日と良くなっていくのがトーナメントの鉄則」と先を見据える。「勢いに乗るきっかけをつくることが大事」。あとは選手の爆発を待つのみだ。

 今日26日は8強をかけ、高校総体3回戦で屈した洛南と戦う。夏は190センチ台のセンター陣にリバウンド負けした。それだけに、森は「明日は自分がリバウンドを頑張らないと」とリベンジに燃える。【高場泉穂】