全日本バレーボール高校選手権(春の高校バレー)が5日、さいたまスーパーアリーナで開幕する。男子の静岡県代表は6年連続10回目出場の聖隷クリストファー。初戦で、昨年の同大会2回戦でストレート負けを喫した高松工芸(香川)と対戦する。本年度は夏の全国高校総体県予選で清水商に敗れたが、秋は清水商にリベンジし全国切符を獲得。全国でも高松工芸へのリベンジを目標に掲げ初戦突破を目指す。

 昨年は高松工芸の強力なジャンプサーブと速いトスワークに翻弄(ほんろう)され、わずか40分で沈んだ。それから1年。再び同じ相手と初戦で当たる。昨年の敗戦後、聖隷は高松工芸の速いコンビバレーを目指してきた。ジャンプサーブ対策のために秋にサーブマシンも導入。110キロの強烈ボールのレシーブ練習に励みエース豊田竜之介(3年)は「もうレシーブではじく気がしないほど自信が持てている」と話す。

 夏の総体県予選はセンター線が弱く、県大会決勝で清水商に敗れた。その直後、センター守備強化として豊田と袴田泰広(3年)の2枚のサイドエースが中央でブロックを担い、攻撃では中央からサイドに開いて打つスタイルへと進化させた。サイドエースからスーパーエースへ。この作戦がはまり、天皇杯県ラウンドで優勝。東海ブロック大会ではVチャレンジリーグのジェイテクトに惜敗したが、豊田は「ブロックの手応えがあった。それから全国の強豪校と練習試合をしても通用した」と振り返る。袴田も「去年はブロックが苦手で、工芸にも上から打たれたけどセンターブロックになってブロックの形も良くなった。今年はシャットします」と燃えている。

 秋にかけ、2人は全体練習が休みの日も筋肉トレーニングを休まず続けてきた。豊田はジャンプ力がアップし「バスケットゴールを垂直跳びで両手でつかめるようになった。自分はジャンプ力しかない。今は相手ブロックがよく見えるし、上から打てる」。高松工芸に負けて左右中央を使った高速バレーへ進化し、清水商に負け現在の守備スタイルが完成した。豊田は「今年のテーマはリベンジ。清水商にリベンジしたので、今回も工芸に『リベンジしろ』ということだと思う」。

 聖隷の田川明浩監督(45)と高松工芸の麓哲哉監督(50)は大体大の先輩後輩で、親交が深い。春高バレーでは今回が5回目の対戦。これまで1勝3敗と負け越しているが、進化した聖隷バレーで自信を持って戦うつもりだ。【岩田千代巳】