<バレーボール・全日本高校選手権:国学院栃木2-0島田商>◇5日◇女子1回戦◇さいたまスーパーアリーナ

 島田商(静岡)は国学院栃木(栃木)に粘りが及ばず、昨年に続き全国1勝の目標は果たせなかった。

 島田商はあとがない第2セットも、レフトエース鈴木伶奈主将(3年)がシャットを恐れず果敢に打ち続けた。伝統の粘りで21-21まで追いついたが、チャンスボールで22点目を取り損ねると、そのまま連続失点し力尽きた。

 鈴木は昨年12月30日、練習中の交錯で古傷の左足首と右ひざに痛みを発症。前日4日の練習では痛みが増し、1人でトイレに駆け込みこっそり泣いた。この日は痛み止めを飲み、主将の役割はきっちり果たした。「試合は集中していたから痛みは感じなかった。最後までプレーできてよかったけど、もうちょっとやりたかったな…」。東京女子体育大に進学しバレーを続ける予定で「全国で戦った経験をプラスに変えていきたい。高校教師になりたいので、島田商に監督として戻ってきたいな」と笑った。

 この日は、3年生全員でデザインした新ユニホームで臨んだ。鈴木は「このユニホームで1勝したかったんですけどね」。だが、1年生の磯部光里と衛藤千紗の173センチセンターコンビが大舞台を経験し、新チームに期待がかかる。磯部は「ライトからのスパイクはまだまだ通用しない。もっと練習してまた、この舞台に戻ってきたい」。島商の新ユニホームでの勝利は後輩が受け継ぐ。