【トロント(カナダ)8日(日本時間9日)=高場泉穂】フィギュアスケート男子の羽生結弦(22=ANA)が練習を公開し、今季のフリープログラムを2季前と同じ「SEIMEI」と発表した。6月に発表したショートプログラム(SP)の「バラード第1番」とともに15-16シーズンの再演となる異例の戦略。9日で開幕まであと半年となった平昌五輪で、世界最高点の更新と男子では66年ぶりの五輪連覇を狙う。

 「ピヨー」という和笛の音が鳴り、「SEIMEI」の曲が流れ出すと、人さし指と中指を立てる陰陽師(おんみょうじ)のポーズを取った羽生が自信たっぷりに動きだした。「自分に合っている」と昨季から決めていた五輪の勝負プログラム。曲、振り付けはほぼ同じだが、ブライアン・オーサー・コーチが「再びやるときは、レベルを別次元へ引き上げないといけない」とする演技は、2季前の演技とは大きく違った。

 4回転ジャンプの構成を新しくした。「同じ曲でも全く難易度が違う」と羽生。2季前に4回転が2種類で計3本だったのに対し、今季は演技後半の3本を含む3種類5本を組み込む。今年4月の国別対抗戦では、後半の4回転3本に初めて成功したが、5本の4回転はそろえられなかった。それでも「自信があるし、ちゅうちょしなかった」と高難度の構成に挑む。