アメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯「第71回ライスボウル」は1月3日午後3時、東京ドームでキックオフされる。2年連続3度目出場の富士通フロンティアーズと、27年ぶり5度目出場の日大フェニックスが対戦する。

  ◇  ◇

 「日大QBの林君がすごいと聞いている。まだ映像を見ていないので、見るのが楽しみ」と富士通・藤田HCは記者会見で報道陣を煙にまいた。さらに「日大は練習で裏付けられた芯のあるチーム。うまくて速くて強い」と評したが、慌てる様子はない。

 富士通は過去2度出場のライスボウルで、いずれも全勝で勝ち上がってきた。しかし、今回はリーグ戦でパナソニックに9-24で完敗後、チームを立て直した。「自分らがうまくいかないことが分かり、勉強になった」という藤田HC。JXBではそれまでのケガで離脱していた選手も戻り、ライスボウルでの今季のチームの完成を目指している。会見で藤田HCは「全選手が細かいところでうまくなれると思う」と2週間での成長に自信を見せた。

 対する日大・内田監督は「スペシャルプレーは好きじゃない。練習量で、持久力で、動いて勝負する」と選手の若さを武器に、富士通にガチンコでぶつかる覚悟を見せた。「タックルにいって届かない時とかに、選手が下を向かないようにしたい」という内田監督。そうした気持ちの面で期待するのが主将のDL山崎奨悟と副将のLB谷口一騎という4年生。とくにベンチで鼓舞する谷口の動きをポイントに挙げた。

 日大黄金時代を築いた篠竹幹夫監督(06年死去)の後任として03年からチームを引き継いだ内田監督。甲子園ボウル4連敗後、一度監督を退いたが、今季復帰し、QB林らの1年生ニューパワーもあって、甲子園で感涙にむせんだ。「自分なりに篠竹監督の教えを生かす」と内田監督は”ネオ篠竹イズム”で、ライスボウル5戦5勝を狙っている。