日本初のプロパルクールアスリート、島田善(ZEN、24)が決勝のパフォーマンスを棄権した。

 国際体操連盟(FIG)W杯として行われた大会で世界中からトップ選手が集まる中、島田は前日の予選をトップで通過。W杯(ワールドカップ)制覇の期待がかかったが午前中の予選で右ひざを負傷し、痛みをおして出場した決勝は途中で倒れ込み決勝8人中最下位の8位に終わった。

 「たくさんの人に来てもらったのに、申し訳ない」と悔しそうに言った。「最後に見せたい技があったけれど、それができなかったのが残念」と、世界の公式戦で島田しか成功していない「トリプルコーク」を披露できずに悔しがった。

 前日には「本職」ではないスピードラン(移動時間を競う)に出場して予選を突破。普段はやらない動きで6位に入り「疲れもあったかも」。それも「日本で多くの人にパルクールを見てもらいたかった」のが理由だった。トップ選手として活躍する一方、LDHとプロ契約。EXILEらのミュージックビデオでも魅力を伝えるなど、パルクールの普及にも努める。

 今季からスタートしたW杯の第1戦は残念な結果に終わったが「まだW杯は続くので。これからも出場して年間チャンピオンを目指します」。今大会、BMXフリースタイルととともに多くのファンを集めたパルクールの第一人者は、前向きにそう言った。