15歳の松田詩野が、サーフィン競技の東京五輪会場で優勝した。決勝でフランス領ポリネシアの選手と対決。5本目にキレのある2回のターンを決め、10点満点で8・57の「エクセレント」評価の高得点をたたき出す。残り時間は相手を良い波に乗らせないようにけん制しつつ、7本目に5・27をマークし合計13・84で完勝した。

 今大会は最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)への予選シリーズ(QS)で最もランクが低いQS1000。松田にとって16年10月に宮崎で行われた日向プロ以来2度目の優勝となり「素直にうれしい」とあどけなさの残る笑みを浮かべた。松田は地元神奈川・茅ケ崎の海を拠点に、一宮の海でも約半分の割合で練習している。「今日の小さい波のサイズの中でも良い波が来たので、良いリップ(波の上側の薄い頂点部分でのターン)が決められたなと思った」と8・57の高得点を出した演技を振り返った。

 昨年11月から本格的に指導を受ける河村海沙コーチの下で、制限時間内でなるべく早い時間に良い波に乗るよう、積極的に攻めるサーフィンを磨いた。松田は「今大会は自分でリズムを作ることが大事で、5分以内で早く乗って余裕をもてる戦い方を意識して、その手応えをつかめた」と笑顔。河村コーチも「準々決勝で優勝候補の格上の選手に対して『がむしゃらに波に乗って積極的に攻めてくれ』とアドバイスして、勝ってくれたのが大きかった。自信にも勢いにもつながったし、準決勝、決勝とガンガン波に乗れていた。1つ殻を破れたと思う」と成長を感じていた。

 今後の目標は「五輪でサーフィンというのは初めてなのでまだイメージがわかない。東京五輪に出られるとしたらレベルが高いので、ジュニアの試合やQSをメインにまずはもっとレベルを上げていきたい」丁寧に話した。