男子プロバスケットボールBリーグの年間表彰式が29日、都内で行われ、レギュラーシーズン最優秀選手に、中地区王者シーホース三河の比江島慎(27)が選ばれた。

 比江島の小学生時代のミニバスケットボールチーム、百道中、洛南高時代のそれぞれの恩師、兄章さんからサプライズで祝福のビデオメッセージも寄せられた。比江島はメッセージに驚いた表情のあとに瞳をうるませ「今ここに立てていることに感謝申し上げたいと思います。これからも賞に恥じないプレーをしたい」とゆっくりと話した。

 今季レギュラーシーズン終盤の4月21日、最愛の母淳子さんを亡くした。言葉を詰まらせながら「プライベートでも母を亡くしてしまったり、大変なことも会ったんですけれど、本当にファンの皆さんや応援してくださる皆さん、チームメートが支えてくれたのでここまでこれたと思っています」。

 淳子さんは比江島のマネジメントも手がけ、献身的に息子のバスケットボール人生を支えてきた。「物心ついたときから父親がいなくてシングルマザーで、お金も全然ないのに何不自由なく、育ててくれて。わがままを言っても絶対反対はしなかったですし、大学でお金がかかったりいろんな迷惑をかけた。そういったお母さんに恩返しができればよかったんですけれど亡くなってしまって、本当につらいシーズンだった」。1つ1つ丁寧に、言葉を選んで、素直な気持ちを言葉につむいだ。

 Bリーグは今季全試合が終了し一区切りついたものの、今後は日本代表の活動も続く。6月15、17日には韓国との強化試合が控え、同月29日にはW杯アジア1次予選のオーストラリア戦が、7月2日には台湾戦が控える。「今の目標は東京五輪(オリンピック)に出場することが最大の目標。まずはW杯予選のオーストラリアに勝たないと東京五輪につながらない。東京五輪のためにも結果を出して次に包めるようにしたい」と意気込んだ。