世界2位のラファエル・ナダル(33=スペイン)が、17年以来2年ぶり4度目の優勝を果たした。初優勝を狙った同5位のダニル・メドベージェフ(ロシア)に7-5、6-3、5-7、4-6、6-4のフルセット勝ち。4大大会通算19勝目を挙げるとともに、フェデラーが持つ4大大会男子歴代最多20度の優勝に残り1勝と迫った。

3本目のマッチポイントで、メドベージェフのフォアのリターンがアウトになると、ナダルは、その場で大の字になり、全身で喜びを表した。「信じられない決勝だった。すごく大変な決勝で、最も感動的な瞬間だ」。会場のモニターに19回の4大大会優勝の瞬間が映像で流されると、感極まって涙を流した。

スタートから、ナダルの戦略は徹底していた。縦回転の効いた山なりの弾む球を、相手のバックサイドに深く配球。少しでも浅くなれば、相手の持ち味である上からたたき込むショットが襲ってくる。しかし、深く入れば、相手は体が前傾できず、力を伝えるのが難しくなりミスも増える。

返球されても緩くなり、コントロールも甘くなることで、ラリー戦の主導権を奪えるのだ。また、相手のバックのコースもクロスが多く、ナダルの得意なフォアに飛んでくる配球が功を奏した。しかし、第3セット以降、相手はバックのコースをストレートに変更。ナダルはバックを突かれてから形勢は逆転した。

最終セットは、一気にナダルが5-2とリードした。しかし、相手も開き直り、そこから2ゲームを奪い追い上げた。最後は、お互いに死力を尽くしたラリー戦になり、4時間50分の激闘の末、ナダルが制した。

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