全日本柔道連盟(全柔連)は21日、今年9月に兵庫県宝塚市の中学校で柔道部員の男子生徒2人に寝技などをかけて重軽傷を負わせ、傷害罪で起訴された男性顧問に対し、「除名」することを発表した。この日の臨時理事会で決定した。

全柔連はコンプライアンス委員会を中心とした調査委員会を立ち上げ、事務局と連携して調査を進めていた。調査した結果、「これらの行為は命を脅かすものとなりかねない」と結論づけ、懲戒処分の中で最も重い除名を科した。

男性指導者は9月25日夕、柔道部の1年生の男子生徒2人が、校内の冷凍庫で保管していた差入れのアイスキャンディーを無断で食べたことに激高。他の部員らの前で背負い投げや寝技を連発した。1人は絞め技で失神させた後に平手打ちで目を覚まさせ、さらに技をかけるなどして胸椎骨折で全治3カ月の重傷。もう1人には寝技を繰り返し、首を打撲する軽傷を負わせた。

兵庫県教育委員会は、男性指導者が傷害罪で起訴されたことを受け、懲戒免職処分とした。指導者は別の中学にいた時、3件の体罰で2度処分を受けていた。