高校日本一の司令塔が大学で進化し、Bリーグ入りを目指す。北見市出身で昨年12月のバスケットボール全国高校選手権(ウインターカップ)で優勝した仙台大明成のポイントガード(PG)越田大翔(たいと、18)が明大に進学する。同大会では4試合でチーム最多14アシストを記録し、ベスト5に選出された逸材。関東2部リーグの明大を1部昇格させ、将来のプロ入りにつなげる。

強豪校で鍛え上げた高い技術を土台にして、夢のプロを目指す。3日に卒業式を終え北見に一時帰省中の越田は、今月下旬から大学の練習に合流する。「高校と大学は守備も攻撃も強度が変わる。もっとフィジカル面の強さを身に付け、1日でも早くチームに貢献できるように。力をつけて将来、Bリーグでプレーしたい」。明大は関東大学リーグ2部。苦境にあるチームだからこそ、やりがいもある。「1年目に全勝優勝で1部昇格して、インカレは4強を目指したい」と強い口調で話した。

北見北中3年で出場した全国中学で、苦い経験を味わった。予選リーグ2戦2敗で敗退。「自分も全国で優勝してみたい」と、17年のウインターカップ王者で、NBAウィザーズの八村塁を輩出した仙台大明成に進んだ。

1年時は192センチの長身を生かしセンターからシューティングガードまで幅広くプレーしたが、2年春にPGにコンバートされた。初体験も歴代の先輩の動画を見ながら研究。昨年12月のウインターカップでは4試合でチーム最多14アシストを記録し、199センチの「八村塁2世」山崎一渉(いぶ、2年)に次ぐチーム2位の55得点を挙げ全国制覇に貢献。大会ベスト5にも選出された。

あこがれはNBAネッツのケビン・デュラント。「2メートル以上と背が高いのに外からも決められるハンドリングやシュート精度がある。理想にしている」。中学までインサイドでプレーし高校ではPGと幅を広げた。その経験を生かし「大学ではどこでプレーするか分からない。どんな位置でも役割を果たせられる選手になりたい」と前を向いた。

ウインターカップは、準々決勝で前回王者の福岡第一(福岡)を64-61、準決勝は前回大会で敗れた北陸(福井)に60-58で雪辱、決勝は東山(京都)に最大15点差つけられながら72-70と、いずれも3点差以内の僅差を制し頂点に立った。「ピンチの時こそ落ち着くことが大事だと学んだ」。修羅場をくぐり抜け培った屈強な精神力を生かし、大学でさらに進化を続ける。【永野高輔】

◆明大バスケットボール部 関東大学連盟所属。60~70年代に全日本大学選手権を9度制覇した古豪。関東大学リーグでは19年に1部で12チーム中11位に終わり、11年ぶりに2部降格。20年はコロナ禍でリーグ戦は中止になったが、11月のインカレチャレンジマッチで1部の拓大を下し2年ぶりに全日本大学出場。本大会は1回戦で富山大を下したが、2回戦で白鴎大に敗れた。なお、19年の関東大学リーグ1部は1位大東大、2位青学大、3位専大。昨年12月の全日本大学は東海大が2年ぶり6度目の優勝を果たした。

◆越田大翔(こしだ・たいと)2002年(平14)4月30日、北見市生まれ。北見美山小2年時に北見ポプラミニバス少年団で競技を始める。当初は主にセンター、パワーフォワードとしてプレー。北見北中3年時にセンターとして全道中学で準優勝し全国中学出場。仙台大明成では1年時から公式戦出場。2年からPGを務める。好きな音楽はDef Techの「My Way」。家族は両親と姉、妹。192センチ、82キロ。血液型B。