全豪オープン出場のため入国したオーストラリアから国外退去となった男子テニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)に、今度は昨年12月に受けたPCR検査での不正疑惑が浮上した。英BBCが報じたもので、ジョコビッチがオーストラリアに入国するビザ取得のために提出した証明書に不審な点があると伝えている。

ジョコビッチは昨年12月にコロナに感染して回復したことを理由にワクチン接種免除の特例で全豪オープンへの出場が認められたが、今年1月5日に入国を拒否されて法廷論争に発展していた。BBCは、ジョコビッチの弁護団がオーストラリアの連邦裁判所に提出した12月16日に陽性となった証明書の検査番号が同22日に陰性となった証明書の番号よりも大きいと矛盾点を指摘。6日後の陰性結果の方が最初の陽性結果よりも若い番号になるのは順番が違っているように見えると伝えた。

BBCによると、検査結果には固有の確認番号がふられており、結果は時系列になっていて日付が早いほど数字が若いことが判明したとしている。時系列で検査が行われていた場合、実際に陽性反応が出たタイミングは16日ではなく、28日頃の可能性があると伝えた。その場合は隔離期間内にオーストラリアに入国しようとした疑いもある。

ジョコビッチは来月21日に開幕するドバイ選手権にエントリーした。騒動後初のトーナメント出場が決まったばかりのタイミングだけに、今後の動向に注目が集まっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)