優勝候補の一角、今年1月の4大陸選手権で飛び級ながら銅メダルを獲得した三浦佳生(16=オリエンタルバイオ/目黒日大高)がまさかの20位に沈んだ。

60・03点。冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループは、ともに着氷が乱れる。続く3回転フリップは決めたものの、最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で激しく転倒し、立ち上がるまでに時間がかかるほどの衝撃を受けた。その後のステップでもミスが出た。

得点を待つキス・アンド・クライでは、ぼうぜん自失。4大陸選手権では88・37点、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら昨年12月の全日本選手権では92・81点を出したSPが、信じられない60点台まで落ち込んだ。

先月、左大腿(だいたい)四頭筋を肉離れ。負傷欠場した羽生結弦(27=ANA)の代役として初選出されていた世界選手権(フランス・モンペリエ)の代表を辞退した。療養に努め、迎えた本来のジュニアの世界一決定戦だった。

「試合前は、どこか痛いとか感じなかった。肉離れと発熱の後、練習を本格的に再開したのは先週末の土日から。こっちに来てから痛くなくて、上り調子で。(演技直前の)6分間練習も痛くなくて」

試合後、そう気丈に説明したが「でも、こういう結果になってしまったので…本当に悪夢を見た感じ」と悔しがった。

自身が出られなかった世界選手権で9位と存在感を示したイリア・マリニン(18=米国)が88・99点で首位。28・93点もの差は絶望的で吹っ切れたように話した。

「次やるだけです、自分のやるべきことを。SP20位。失うものはないので、がむしゃらにやります」

15日(日本時間16日)に行われるフリーへ、開き直るしかない。【木下淳】