東京五輪代表で、日体大の三上紗也可(21)が、自己ベストの363・35点で3連覇を果たした。昨夏の東京五輪銀メダル、今年6月の世界選手権ブダペスト大会でも銀メダルに相当するハイスコアだった。

三上は「大きな失敗なく、5本すべて飛べた」。大技の「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」も含めて、質の高い演技を披露。2位金戸凜(日大)に45点差をつけた。

試合前は緊張していたが、安田コーチから「心の問題だから、自信をもって飛びなさい」と言われて、吹っ切れた。70点を下回ったのは2本目の69・75点だけ。3本目にはジャッジの評価点で「9」が出るジャンプを見せた。「そんなによかったかなあ。9点。うれしいです」とおどけた。

6月の同選手権では、金戸とのシンクロ板飛び込みで銀メダルを獲得した。個人種目でもさらに磨きをかける覚悟。「世界選手権でメダルは見えた。今はメダルではなくて、金メダルを目指して練習しています」と意識レベルも上がった。

刺激もあった。金戸がこの日、新技の「5337D(前逆宙返り1回半3回半ひねり自由形)」を投入した。男子の玉井らが使う技で、三上の大技5154Bの難易度3・4を上回る同3・5。女子では日本では唯一、世界でもごく少数しか使い手がいない秘技だ。

三上は「5337Dは前から取り組んでいると聞いていたので…。自分も頑張ろうと思います」。パートナーでもあり、ライバルでもある金戸と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、さらに自己ベストの更新を目指していく。【益田一弘】

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