レスリング女子53キロ級で公式戦103連勝中の藤波朱理(18=日体大)が、大会2連覇が懸かる世界選手権(10~18日、ベオグラード)を左足甲の負傷で欠場することが決まった。女子日本代表の金浜良ヘッドコーチ(HC)が「本日、判断した。合宿初日に負傷して懸命に治療してきたが、試合に出ることが非常に難しい状態。辞退する」と明らかにした。

全治は8週間という。開幕直前のため代替選手は選出せず、日本レスリング協会は女子53キロ級に代表派遣しないことを決めた。

スパーリング中に左足甲のリスフラン靱帯(じんたい)を損傷した。受賞直後は松葉づえを突く必要があり、現在はゆっくり歩けるようにはなったものの、本人、父の俊一コーチと相談の上で辞退を決断した。

バスケットボールやバレーボールの選手が着地する時に痛めることが多い箇所という。藤波の場合は体重移動で左足に負荷がかかった際に負傷した。骨には異常がなく、手術や入院もなし。現在は高濃度酸素を用いた治療などで回復に努めている。

金浜HCは「最初はショックだったと思うが、たくさん試合がある中で悪化させるわけにいかないと。12月(天皇杯全日本選手権)からパリ五輪(オリンピック)に向けた選考レースも始まる。一番の目標はパリで金メダルなので、ここは行かない判断をした」と説明した。

藤波は6月の明治杯全日本選抜で公式戦100連勝を達成。吉田沙保里、伊調馨以来の大台に乗せた。8月の全日本学生も優勝して記録を103連勝に伸ばしていた。

世界選手権は、三重・いなべ総合高3年だった昨年のオスロ大会に初出場。全試合無失点の完全優勝だった。東京五輪の金メダリスト志土地真由(旧姓向田)とともに、パリ五輪の有力な優勝候補として期待されている。

この日夜には自身のインスタグラムを更新し「怪我(けが)が治り切らず、今年の世界選手権は棄権することにしました。楽しみにしてくださってた方、すみません。怪我は順調に回復に向かっています。今までにない経験で悔しい気持ちですが、この怪我を必ず意味あるものにして心も体も強くなって戻ってきます。もう少し待っててください!」(原文まま)と心境をつづった。【木下淳】