世界女王の坂本花織(シスメックス)が2年連続3度目のGPファイナル(12月、トリノ)進出を決めた。

ショートプログラム(SP)2位から、フリーは133・80点で合計201・87点の2位。第1戦スケートアメリカからGP連続表彰台で、上位6人が争うファイナル行きを決めた。

冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)から、次々にジャンプを決めていった。最後のループが1回転なり、援護直後には両手で思い切り頭を抱えたが、しっかりと点数は積みあげた。

前日のSPでは2つのジャンプが乱れ、心理面での難しさも吐露していた。「去年までの自分のように強気になれてない」「追い込めてない」。スケートアメリカで優勝は飾ったが、練習の過ごし方などで十分にできてないと痛感していた。

それが結果として現れる形になったSP。北京五輪銅メダル、世界選手権では金メダルと濃厚なシーズンだった昨季からの反動にも苦しんできたが、けりをつけないいけないと誓っていた。

「今日の2位でやっと吹っ切れた。もう1回仕切り直せる。良いきっかけになったと思います」。

初心を見つめ、挑んだフリー。終えてみて決めた。

「いままでこのシーズンに入って頑張らないといけないという気持ちもある中で、自分の中で悪魔と天使が闘ってて。『頑張らないと』と『頑張り疲れた』がすごく葛藤中で。でも、なんとか悪魔をやっつけたいです!」

氷上の戦いのために、日常の戦いに勝利してみせる。【阿部健吾】

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