フィギュアスケートのアイスダンスで世界選手権(26日閉幕)日本勢最高タイの11位に入った村元哉中(30)、高橋大輔(37)組(関大KFSC)が笑いあり、涙ありのトークで仲間の活躍をたたえた。

27日は東京・港区のテレビ朝日本社で、2年に1度開催される世界国別対抗戦(4月13~16日、東京体育館)の記者会見に出席。「この1年で刺激をもらった、印象に残った日本代表」というテーマで話が展開され、村元はボードに「りくりゅう」、高橋は「坂本花織」と記した。

他の選手が野球のWBCやサッカーW杯の日本代表などを挙げる中、フィギュアの日本代表を記した形となり、メインキャスターの松岡修造氏は「どういう意味!?」と反応。まずは日本ペア初の世界王者となった「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)を選んだ村元が、その理由を説明した。

村元「あの…そうですね…あの…本当に木原選手は私と同期で、私がアイスダンスを始めた1年前の2013年に(木原が)ペアに転向したんですけど、10年間頑張ってきた姿を見て、ようやく世界チャンピオン。璃来ちゃんという素晴らしいパートナーとも巡り合えて、カップル競技の大変さを本当に理解しているので、しゃべりながらすごい泣きそうなんですけど、本当にすごいなと思います」

そう口にすると、村元は思わず涙。木原の歩みを思い返しながら「りくりゅう」の快挙をたたえた。

続いては高橋のターン。松岡氏は「何かの競技っていう風に僕は聞いていたので(ボードに書いた「坂本花織」に)びっくりしているんですよ。それは何て書いてあるんですか?」と高橋に振った。

高橋「坂本花織。(拠点の)アメリカの方にいる時はテレビがなくて、野球も(サッカー)ワールドカップも見ていなくて、(世界選手権の)僕たちのフリーダンスの前に(坂本の)フリーで、プレッシャーが相当やばかったと思うんですよ。始まる前の、か…、か…、花織の…。花織って言った(笑い)。かおちゃんの…(笑い)」

これには場内も大爆笑。かつてシングルの世界王者となった高橋は、スケーター目線で坂本の演技のすごさを説明した。

高橋「顔を見た時に『すごい圧を感じているんだろうな』というのがあった。演技のところでフリップがシングル(1回転)になったじゃない? その後にトリプル(3回転)トーループをつけたんですよ! あそこ、大体動揺しちゃうじゃないですか。あそこをつけにいった、この方に僕はもうめちゃくちゃ刺激を受けて、次の日、僕たちがフリーダンスだったんですけど、むちゃくちゃ緊張していたんですけど『やるしかない!』という感じで。パワーを本当にあの演技でもらえたので、今シーズンで一番刺激を受けた“競技”です」

これには坂本も照れ笑いし「あのシングルフリップを跳んだ瞬間は、頭が真っ白になって、びっくりしたんですけど、考えるより先に体が勝手にトーループを跳んでいたので、それが『一番良かった』と言ってもらえたのが、うれしすぎます」と感謝した。世界国別対抗戦は団体戦。刺激を受け合ったメンバーが肩を組み、日本は3大会ぶりの優勝を目指す。【松本航】

◆日本代表

◇男子

宇野昌磨(トヨタ自動車)

友野一希(上野芝スケートクラブ)

◇女子

坂本花織(主将、シスメックス)

三原舞依(シスメックス)

◇ペア

三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)

◇アイスダンス

村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)

◇出場国

日本

米国

カナダ

韓国

イタリア

フランス