フィギュアスケート男子の佐藤駿(22)は所属先のエームサービスのサポートもあり、2月のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)で団体銀、個人銅メダルを獲得した。

3日、東京都港区の同社で社員交流会を開催。20年からサポートを続けてきた公認スポーツ栄養士・管理栄養士の西山英子さんは「辛い時期を知っているだけに感無量です」と笑顔で活躍をたたえた。

エームサービスは社員食堂や給食事業などの運営を手がける企業。1990年代からスポーツ選手の栄養面のサポートにも注力してきた。佐藤とは月1回程度の面談やオンラインでのコミュニケーションを通じ、必要な栄養素やおすすめの食事などを伝えてきた。

西山さんが特に大切にしているのは、食事を楽しむこと。「体を作るのは食事ではあるけれど、食事は餌ではなくて楽しみでもある。楽しみながら必要な栄養を摂ってほしい」という思いのもと、バランスの良い食事の重要性を繰り返し説いてきた。佐藤にも楽しく食べることを伝えた上で、カルシウムが不足しがちだった点を踏まえ「乳製品を食べるといいよ」などとアドバイスしてきた。

今冬の五輪にあたっても遠隔でサポート。約1カ月長期滞在となるため、出国前には現地に持参する食品についても助言を授けた。「持って行く食材の写真を撮ってもらって、アルファ米やご飯のパックを持って行ってもらいました。緊張すると食欲がなくなることもあるので、ご飯がたくさん食べられるような親子丼やカレーのレトルトなども加えたほうがいいと伝えました」。現地入り後は定期的に食事の内容を共有するように伝え、フィードバックを継続。その甲斐もあり、初出場ながら団体最終種目のフリーで自己ベストを更新すると、続く個人ではショートプログラム(SP)9位からフリーで巻き返して日本男子5人目の五輪メダリストとなった。

佐藤の長所は、素直に助言を受け入れつつ、楽しい食事を心がけてきたこと。五輪期間中も練習や試合後のカレーライスを楽しみにしていた。

「こちらが何かお伝えした時に大きな反応があるわけではないですが、しっかりと実行して、継続をしてくれるのはすごいところです。真面目すぎてそればかりに注力するのではなく、食事を楽しむのを忘れていないことも、強さの1つだったのかなと思います」

バランスの保たれた食事と人柄。その両面がミラノでの飛躍につながった。【藤塚大輔】

◆小谷周代表取締役社長のコメント「諦めずに最後まで自分の力を信じてやり抜いてくださった。初めてのオリンピックで想像をはるかに超える結果と大きな感動を届けてくださりました」

◆エームサービス 1976年(昭51年)に三井グループと米サービスマネジメント大手アラマーク社の合弁によって設立。病院における給食事業を始め、日本初の適温適時サービス、選択食、ベッドサイド配膳を実施。企業の社員食堂、病院、福祉施設、スポーツ施設などで食とサポートサービスを展開。25年8月時点で全国約3500カ所の施設で1日約140万食を提供。全社員数は25年3月末日時点で4万4059人。フィギュアではミラノ五輪ペア金メダルの「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組もサポート。ブランドコンセプトは「Touch your heart ~“ありがとう”の数だけ、私たちがいる~」。本社は東京都港区赤坂2-23-1。

◆佐藤駿(さとう・しゅん)2004年(平16)2月6日、宮城県仙台市生まれ。7歳で東日本大震災を経験。13年から全日本ノービス選手権4連覇。18年に父の転勤に伴って埼玉に転居し、震災避難時に約4カ月指導を受けた日下匡力(ただお)、浅野敬子両コーチに師事。19年ジュニアGPファイナル優勝。シニアのGPファイナルで24年から2年連続3位。25年世界選手権6位。埼玉栄高-明治大。162センチ。