<テニス:ニッケ全日本選手権>◇最終日◇10日◇東京有明コロシアム12年ロンドン五輪代表の伊藤竜馬(25=北日本物産)が念願の初優勝だ。18歳の“錦織2世”で、日本代表2人を撃破し快進撃を続けてきた初出場の西岡良仁(ニックインドアTC)を6-3、6-3のストレートで破った。

 伊藤は8度目の出場で過去3度の準優勝だけに「やっと(タイトルが)取れた」と涙。初めて高らかに天皇杯を掲げた。

 西岡の勢いに、安定したプレーで対抗した。加えて、武器のサーブが途中から好調で7本のエースを奪った。これまでは決勝の重圧につぶされてきた。しかし、この日は「過去の失敗を学んで冷静に判断できた」と、若い西岡からミスを引き出すなど、経験で上回った。

 それでも、西岡のテニスには「このプレーを続けていけば、間違いなく世界100位以内に入れる」と太鼓判を押していた。