<高校ラグビー:東京63-0城北>◇1回戦◇27日◇花園

 3年連続10回目の出場の東京(東京第2)が、城北(徳島)に圧勝した。FB伊藤大地主将(3年)が2トライを挙げるなどチームをけん引。チームは11トライ4Gの猛攻で、3年連続で初戦を突破した。

 風と雨、気温9度。選手の手がかじかみ、ボールが手につかない。開幕から生駒おろしの洗礼を受け、ミスも出た東京だが、地力の差で完封勝ちだ。伊藤主将は「ミスが多かったが、多くないチャンスをものにできた」と、初戦突破にホッとした表情を浮かべた。前半終了後、伊藤主将を中心に上級生が、かじかむ手を使わないキックを使うことを提案。後半はミスを減らすことに成功し、大量得点に結びつけた。「常に試合をマネジメントする癖はつけている」と伊藤主将はリーダーシップを発揮した。

 5月の春季大会決勝。目黒学院に完敗した。試合翌日、伊藤主将は反省を示すため丸刈りで登校。それを見た3年生全員が丸刈りとなり、最後は部員全員が丸刈りとなった。「自分についてきてくれた。うれしかった」。それを機に、いっそうチームがまとまった。

 スポーツ教育で有名なバディスポーツ幼児園に通い、幼少期からサッカー、テニスなど5競技を経験した。千歳中でラグビーを始めたが「他競技で養った動きが、ラグビーに役に立っている」。この日も、最初のトライで切れの鋭いステップで4人抜きを見せた。

 次戦はBシードの天理だ。東京は過去9回の出場で、1度もシード校に勝ってない。「今年こそ絶対に勝つ」。引っ張ってきた伊藤主将のひと言が、チームを奮い立たせる。【吉松忠弘】