<高校ラグビー:仙台育英21-12大分舞鶴>◇1回戦◇27日◇花園

 仙台育英(宮城)が、聖地・花園第1グラウンドでの開幕戦を白星で飾った。古豪・大分舞鶴を下し、花園通算20勝目を挙げた。前半4分、高校日本代表候補のFB矢富洋則(3年)が約40メートルの先制PGを決めて主導権を握ると、その後も攻撃の手を緩めず、FW平均体重で約10・8キロ上回る相手を退けた。30日の2回戦では、Aシード東海大仰星(大阪第1)と対戦する。

 仙台育英が東北勢の先陣を切って2回戦に駒を進めた。開会式が行われた花園第1グラウンドで初の開幕戦。独特の雰囲気が漂うプレッシャーをはねのけ、花園出場20度目で通算20勝の節目を飾った。

 過去優勝1回、準優勝3回を誇る古豪・大分舞鶴に気後れしなかった。FWの平均体重で大きく上回る相手に対し、キックやハイパント攻撃を効果的に織り交ぜ優位に試合を進めた。丹野博太監督(48)は「気持ちのコントロールがしづらい中、メンタル的に成長した」と選手をたたえた。

 相手ミスに乗じて得点を重ねた。オフサイドの反則を得た前半4分、矢富が先制PG。右ひざ不調のCTB今要(2年)に代わり、今大会からプレースキッカーを務めた矢富は「キックには自信がある。みんなにアドバイスされ、今日に生かせた」と笑顔を見せた。

 同7分は、鈴木渓太が敵陣10メートルラインで相手キックをチャージして、木村裕也が左中間トライ。2年生WTBコンビで得点した。後半12分、雷雨で約25分間中断したが、集中力は切らさなかった。

 同22分にはSH柴田なつき(3年)が、相手キックを敵ゴール内でチャージ。自らダメ押しトライを決めた。父尚都氏(48)は仙台高専監督で新年4日から全国大会に臨む。親子で全国出場の柴田は「次もDFをしっかりとやりたい」と話した。次は東海大仰星と対戦。丹野監督は「やりたくて仕方なかった。楽しみにしている」とAシードとの大一番を見据えた。【佐々木雄高】