<高校ラグビー:報徳学園55-0黒沢尻北>◇2回戦◇30日◇花園

 報徳学園(兵庫)が黒沢尻北(岩手)に圧勝し、初戦を突破した。CTB梶村祐介(3年)は、日本代表のエディ・ジョーンズヘッドコーチがランニングスキルに惚れ込み、8、9月の同代表合宿に“飛び級招集”した超逸材だ。この日は1トライのほか、周囲を生かしてチームを勝利に導いた。

 怪物は存在感で先制トライをアシストした。前半4分の左展開でパスを受ける。自然とマーク2人が吸い寄せられる…。すかさず大きく空いた左のスペースに走るFB藤井にパスを出し、最後はWTB播谷が飛び込んだ。同7分にはWTB山村をフォロー、自らトライを決めた。「序盤はいい入りができました」。ジャージーを破りそうな大胸筋を揺らして、笑った。

 日本代表を知って、怪物は進化した。ヤマハ発動機のNO8堀江恭祐(23)に吹っ飛ばされた。「フィジカルが全然通用しない」。だから1日3食から6食へ。朝食のパン、学校では1時限目後の休みにドでかい弁当を早弁し、3時限目後の休みにおにぎり4個、昼休みに学食でうどんとカラ揚げ定食、練習前におにぎり2個、帰宅して晩ご飯…。一方でデッドリフトで100キロ前後を挙げまくり、下半身と広背筋を徹底強化した。180センチ、98キロにビルドアップしたボディーに、50メートル6秒2の走力は“ジャパン級”になった。

 日本開催の19年ラグビーW杯の星の狙いは「全国優勝です!」。77回大会のベスト4を超える快進撃へ。元日の3回戦は、春の練習試合で敗れた石見智翠館。「1戦1戦、成長しながら勝ち上がりたい」と力強く断言した。【加藤裕一】

 ◆梶村祐介(かじむら・ゆうすけ)1995年(平7)9月13日、兵庫県伊丹市生まれ。ラグビーは4歳から。鴻池小、天王寺川中では伊丹RS。昨年の花園にはSOで出場。U-19日本代表、高校日本代表候補。180センチ、98キロ。