<高校ラグビー:大阪桐蔭41ー3秋田工>◇準々決勝◇3日◇花園

 秋田工は昨年度に続いて4強の壁にはね返された。花園初対決の大阪桐蔭(大阪第2)に敗れ、18年ぶり27度目の準決勝進出を逃した。PGで先制したが、相手の重量FWに押し負け、6トライ4ゴール1PGを許す完敗。主力5人が残る新チームは、この敗戦をバネに巻き返しを期す。

 後半ロスタイム。大阪桐蔭に6本目のトライを許した秋田工フィフティーンは、ぼうぜんと相手ゴールを見届けた。直後にノーサイドの笛。涙があふれて止まらない。黒沢光弘監督(52)は「ノートライは非常に残念。力の差はあった。本当に強かった」と完敗を認めた。

 FWの平均体重で約9キロ上回る相手に、速さと運動量で勝負を挑んだ。開始から積極的に仕掛け、前半4分に反則で得たPGを中村侑真(2年)が決めて先制。主導権を握ったかに思われた。だが、直後にハーフ付近から左展開のパスを奪われ、自陣22メートルラインまで運ばれた。9分には警戒していたはずの右ラインアウトモールを押し込まれ、逆転トライを許した。その後はモールとスクラムを基点に5トライを浴びた。フッカー村井遥介主将(3年)は「チャレンジャーとしての気持ちが足りなかった」と肩を落とした。

 敗れはしたが目指してきたアップテンポラグビーは貫いた。後半2分にはプロップ三浦昌悟(3年)の縦突進から約8分間ボールを支配。両サイドを突く波状攻撃をみせたが、相手の素早いタックルに阻まれた。PGを決めた中村は「攻め切れなかった。もっとフィジカルを強くして、もう1度、全国制覇を狙えるチームを作りたい」と雪辱を誓った。

 主力11人を含む3年生20人の挑戦は終わった。高校日本代表候補で早大に進学するNO8加藤広人は「大学でリベンジしたい。1、2年生は一回りも二回りも成長して自分たちより上を目指してほしい」とエールを送った。【佐々木雄高】