<高校ラグビー:東海大仰星66-17報徳学園>◇準々決勝◇3日◇花園

 Aシードの東海大仰星(大阪第1)が圧倒的な攻撃力で、2大会ぶりの準決勝進出を決めた。Bシードの報徳学園(兵庫)から10トライを奪い圧勝した。66得点は準々決勝以降では、歴代2位の高得点記録。7大会ぶり3度目の日本一へあと2勝だ。明日5日の準決勝は東福岡(福岡)との対戦となった。

 攻め始めたら、止まらない。東海大仰星が10トライの猛攻で、報徳学園を沈めた。縦を突いても倒れず、横に動けばリズム良くボールが回る。「つないでいくところを、しっかりやっていけた」と湯浅監督。実力校同士の接戦が多い準々決勝以降で、66点は2番目の高得点。09年度準決勝で、京都成章から67点を挙げた東福岡に続いた。3試合連続の2桁となる10トライを奪い、2大会ぶりの準決勝切符をもぎとった。

 個の力に頼らず、15人全員の継続力でトライを狙うのが仰星ラグビー。だが、この日は頼りになる男が戦場に戻っていた。昨夏に右膝を負傷していたフランカー野中翔平主将(3年)が、今大会初出場を先発で飾った。前半6分までに12点を先制されると、すかさず帰ってきたリーダーが声を上げた。「終わったことは、終わったこと。次に何をするかが大事や」。落ち着きを取り戻したチームは、同8分にプロップ西田が左中間に反撃のトライ。一気に流れをつかんだ。

 声だけではない。野中はひたむきなプレーでも、引っ張った。前半20分には、強烈なタックルでターンオーバーにつなげ、SH米村のトライを呼び込んだ。「本当に命がけでやってる。変かもしれないけど、みんなに『死んだ時は、あとはよろしく』と言ってるくらいです」。そんな魂の男の復帰に、2トライを挙げたフッカー北林も「やっと戻ってきた。安心します」と笑顔。監督時代に2度全国制覇に導いた土井総監督も「あいつが入ると全然違いますね。ほとんどミスはなかった」とホオを緩めた。

 試合後の抽選で、準決勝は東福岡との対戦が決まった。2大会前の決勝で24-36で敗れた因縁の相手だ。当時、1年生ながらNO8で出場していた野中は、泣きながらかけられた先輩の言葉を忘れずに覚えている。「次、この場で笑うのは、お前らやぞ」-。その思いを、体現する時がきた。「(先輩との)約束がある。2年前のリベンジをしたい」。難敵を撃破して、3度目の日本一へ王手をかける。【木村有三】

 ◆野中翔平(のなか・しょうへい)1995年(平7)11月17日、大阪・枚方市生まれ。ラグビーは小3から枚方ラグビースクールで始める。東海大仰星中を経て、同高に進学し1年時はNO8で花園に出場。高校日本代表候補、同大に進学予定。183センチ、96キロ。