<卓球:世界選手権>◇30日◇女子シングルス2回戦◇横浜アリーナ

 福原愛(20)は観衆から見えない会場裏で号泣した。2回戦のシャル戦は、後がないゲームカウント2-3で迎えた第6ゲーム序盤に4連続失点。巻き返すことができなかった。「恥ずかしい。期待に応えられず情けない」。涙目のまま唇をかんだ。

 第5ゲーム中盤に約1年ぶりに「王子サーブ」を繰り出した。最近練習していない、かつての得意技を2度出したが点につながらず、2本目はサーブミス。「勝ちたい気持ちが強すぎて焦った。何をやっているか分からなくなったのが敗因」と振り返った。

 世界ランクは福原の31位に対してシャルは45位。昨年2月に都内で一緒に合宿をして、プレースタイルを研究されていた。順当なら3回戦で対戦する同3位の李暁霞(中国)対策に重点を置きすぎ、足をすくわれた。世界選手権個人戦4度目で自己ワーストの2回戦敗退。残る女子ダブルスと混合ダブルスに向け「シングルスの分まで頑張りたい」と声を振り絞った。【高田文太】