日本シリーズは日本ハムが3勝2敗で王手をかけた。明日29日に第6戦がマツダスタジアムで行われる。日本ハムが一気に決めるのか、それとも広島が本拠地で逆王手をかけるのか-。野球評論家の西本聖氏に第6戦のポイントなどを聞いた。

 -第5戦までの感想は

 西本氏 第1戦、第2戦は日本ハムのバッテリーにミスが出て負けた。第1戦は大谷が重盗阻止のサイン見逃し。第2戦は増井のバント処理。ミスが出ると短期決戦ではゲームが動く。流れが一気に相手に行ってしまう。それと捕手のリード。日本ハム大野は勝負どころで特に右打者に対して外角一辺倒だった。逆に広島の石原は内外、高低を使ったうまいリード。この辺が1~3戦までは印象に残った。

 -広島が札幌で3連敗した

 西本氏 (攻撃面で)ベンチがもう少し動いてもいいのかなと思う。どうも重苦しい。バントで進めてもそのあとの一本が出ない。形をつくって選手を信じて任せるのもいいことだが、ベンチが動くことで試合の流れを動かすこともできるはず。

 -日本ハムが王手をかけて第6戦。先発は中6日の大谷ではなく中5日で増井をもってきた

 西本氏 詳しい事情は分からないが大谷に何かアクシデントでもあったのだろうか。中6日なら十分だよね。日本シリーズは第7戦まであるが、明日広島が勝って逆王手をかけると勢いがつくからね。日本ハムとしては明日決めるのがベスト。なぜ大谷ではないのか?

 -広島は第5戦で守護神の中崎が西川にサヨナラ満塁弾を浴びて敗れた。引きずらないか

 西本氏 一つ気になったことがある。西川の前の打者、岡に死球を与えた場面。岡が怒ったが、中崎はマウンドを一歩、二歩降りてグッとにらみつけるような姿勢が見られなかった。その後に打たれて負けたので、そこが気になった。ショックは大きいと思う。

 -昨晩は眠れなかったのでは?

 西本氏 これは本人の性格にもよると思う。気が強いのか、向かっていく強さがどこまであるか。気持ちの強さが問われるところ。私も(81年に)初めてシーズンの開幕投手を任されたときは前の晩、堀内(恒夫)さんから「寝られないぞ」と言われた。1番打者からどう抑えようかとシミュレーションしていたら本当に寝られなくなりそうだった。でも寝られないようじゃダメ。考えても仕方がないこと。自分の良いものを出してやられたら仕方がないと割り切ることが大事。まして中崎の場合はもう終わったこと。いかに気持ちを切り替えられるか。広島にとってはそこが大きなポイントになると思う。