ヤクルトの“ライアン船長”が、チームを単独2位に導いた。先発の小川泰弘投手(25)が、7回1/3を7安打無失点で、自身5連勝となる9勝目を挙げた。巨人菅野とのエース対決を制し、巨人戦の今季初白星も飾った。人気漫画「ONE PIECE」から仲間を守り抜くリーダーシップを学び、粘り強い投球と4回の打席では11球粘って押し出し四球を選ぶ闘争心で、チームを鼓舞した。巨人を勝率1毛差で上回り、16日以来の単独2位に返り咲いた。

 小川が、力強くかじを取り、優勝までの“航路”を切り開いた。「ロースコアになると思っていた中で、全力で抑えることができた。粘り勝つ、詰め切るという気持ちでした」。プロ同期入団でライバルと認め合う菅野との投げ合いを制した。鳴りやまない大歓声をお立ち台の上で受けた。

 仲間のために頑張る-。献身的な姿勢を少年漫画から学んだ。読書好きな小川が、最近読み始めたのが「ONE PIECE」。「普段は本しか読まない」という男が引きつけられた。仲間とともに、海賊王を目指す主人公ルフィに、エースとして優勝を目指す自身を重ねた。

 小川 ルフィは真っすぐですね。仲間が傷つけられたら、自分がどんなに(敵に)やられても守り抜きますからね。

 打席で証明した。0-0の4回2死満塁。菅野の149キロ直球にも、力負けしなかった。ファウルで粘り、11球目に押し出し四球で先制した。難攻不落の相手エースを気迫で圧倒し、流れを引き寄せた。杉村チーフ打撃コーチを「野手が見習うべき打撃」と感心させた。

 難航した投球は、最後まで諦めない精神でくぐり抜けた。7回以外は毎回走者を背負う苦しい展開。そんな時、「後ろには、信頼している仲間が守ってくれている。そんな仲間を守るんだ」と、ルフィの純粋無垢(むく)な姿を思い出した。0-0の3回1死三塁。クリーンアップを迎えたが、坂本をカットボールで二直、阿部を外角低めフォークで右飛。5度得点圏に走者を進めたが、魂の123球で守り抜いた。

 優勝争いへの生き残りを懸けた戦いと位置づけるチームは、2連勝で2位に浮上した。首位阪神に3ゲーム差と接近。「1試合、1試合が今後を左右する。全部勝つつもりで投げる」。ライアン船長が荒波にもまれながらも、逆転優勝へと先導する。【栗田尚樹】

 ◆ONE PIECE(ワンピース) 週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中の少年漫画。海賊の主人公ルフィが仲間を集めながら、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を目指し世界中の海を冒険。14年12月末時点のコミックス世界累計発行部数は3億2086万6000冊。ギネス世界記録に認定された。