<西武3-2楽天>◇25日◇西武ドーム

 4時間を超える熱戦の最後に、本来の思い切りの良さが出た。延長11回、西武の先頭、後藤武敏外野手(29)が2球目を迷いなく振り抜くと、打球は一直線に左翼席へ。プロ初めてのサヨナラ本塁打で、スタンドを歓喜の渦に導いた。

 顔を紅潮させ、後藤は「とにかく思い切り振っていこうと思った。最高です」と、お立ち台で声を張り上げた。涌井と岩隈の息の詰まるような投げ合いの中、4回に適時打を放ったが、他の打席は中途半端な打撃で凡退。悔しさを集中力に変え、代わったばかりの川岸が投じた甘い変化球に、全力をぶつけた。

 今季は開幕直後に腰痛を悪化させ、1軍登録を外れた。味わったことがない痛みに耐えながら、苦しいリハビリが続いた。自宅用にと、自ら治療器具も購入した。7月9日、1軍に昇格。万全でない体と付き合いながら、活躍の場を探した。

 主軸の中村と、GG佐藤を欠く布陣だけに、渡辺監督は「後藤は大きな仕事をした」と絶賛する。直接対決の大事な初戦を制し、再び3位に浮上。後藤の一振りは、値千金だった。

 [2009年8月25日23時48分]ソーシャルブックマーク