プロ野球公式戦の開幕戦日程について、東日本大震災の影響を考えて実行委員会で継続協議となったことを受け、各球団で選手への事情説明が16日に始まった。予定通りに25日開幕の方針を固めているセ・リーグ球団の説明に選手からは反対の声が上がった。

 日本プロ野球選手会の前選手会長でもあるヤクルトの宮本慎也内野手は「納得できる理由が一つもなかったので無理ですと言った」と明かした。さらに「復興が見えた時に野球で勇気づけることはいいと思うが、今勇気づけられると思っているなら思い上がりだと思う」と主張。シーズン後半が過密になっても、全144試合を実施することに同意していることも伝えたという。ヤクルトの新純生球団常務は「何がプロ野球としてできるかというと、試合をすること。選手の了解なく強引にはやらない」と話した。

 阪神の金本知憲外野手は、被災した仙台市の東北福祉大出身。「被災者のことを思うと野球開催どころではない、というのが正直な気持ち。ゴルフもフィギュアも、すべて中止になり、プロ野球だけがそこまで開幕にこだわるのは何なのか」といぶかった。

 パ・リーグは延期の方針を示している。日本ハムの田中賢介選手会長は「これだけの被災者がいる中で(25日の)開幕は無理と考えている。まずは被災者の方々のことを第一に考えてほしい」と話した。