<ヤクルト3-9広島>◇10日◇神宮

 マジック1だ!

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が2試合連発となる54号2ランを放った。1回2死一塁で、肩付近の高さに来た151キロ直球を左中間スタンドに運んだ。

 見逃せば完全にボール球だった。「本当は手を出してはいけない高さのボールだったが、ボールに対してはバックスピンに効く角度でバットを入れることができた」とコメントした。

 池山打撃コーチは「あの高さをホームランにできるのはバレンティンしかいない」と驚いた。

 誘い球を豪快にはじき返された前田健は、マウンドで苦笑いするしかなかった。

 3回1死一、三塁の2打席目は、スライダーに空振り三振。5点リードされた5回の3打席目は2死二塁で敬遠され、球場からブーイングが起こった。7回の4打席目は1死一塁で空振り三振、9回の5打席目は1死一、二塁で遊撃併殺打に倒れた。

 バレンティンは「あと1本になって、緊張感が高まってきた」と試合後に話した。快挙達成がいよいよ現実味を帯びてきた。