<阪神4-3広島>◇9日◇甲子園

 広島打線が最後まで粘りをみせた。2点をリードされた阪神戦の8回、2死一、三塁から代打前田智徳外野手(38)が、阪神の守護神藤川球児投手(29)から右前にタイムリー。9回にも2死一、二塁の好機をつくって藤川を攻め立てるなど執念をみせた。野村謙二郎監督(43)も粘りを絶賛。交流戦前最後のゲームは3-4で敗れたが、指揮官は確かな手応えをつかんだ。

 エース前田健を立て必勝態勢で臨んだ試合は接戦を落とした。悔しいはずの試合後、だが指揮官は前向きだった。

 野村監督

 各打者の粘り強さが見えた。しっかりとあきらめずに、なんとかしようと。これなら今後も期待できると、ベンチもそういう雰囲気になっていた。

 敗戦の中にもしっかりと収穫を得ていたのだ。背番号77は、特に8、9回に阪神の守護神藤川を攻め立てた場面を絶賛した。

 粘りの主役はベテラン前田智だ。阪神のセットアッパー久保田を攻め、2死一、三塁のチャンスをつくると、阪神ベンチは藤川をマウンドに送った。難攻不落の守護神を「(相手ベンチの予定より)早めに引っ張り出せた」という野村監督は、代打前田智をコール。代打の切り札は期待に応え、3球続いたフォークをとらえて、鮮やかに一、二塁間を破るタイムリーヒットで1点差に詰め寄った。試合後の前田智は無言を貫いたが、ベテランの一打で打線は活気づいた。

 9回には1死から梵が右前打で出塁し、すかさず二盗で同点機をつくる。2死二塁で4番栗原は歩かされ、最後はフィオが三振に倒れたが、指揮官は「梵も難しい場面で盗塁を決めた。(栗原)健太が歩かされるのは、調子が上がっているのを相手も分かっているから」と阪神ベンチの動向に、自軍打線の好調さを感じ取った。

 もちろん、阪神先発鶴を攻めきれず、6回まで投げさせてしまったことなど、反省点はある。結局負けたことで借金も今季最多タイの7となり、交流戦前最後の戦いを終えた。

 だが、指揮官は交流戦に向かう心境を問われると「気持ちの切り替えですよ。打者の状態は上がっているし、今の感じは期待できる」と手応えを強調した。粘り強さと、前田智がみせた勝負強さ。活気を取り戻した打線を武器に交流戦で浮上してみせる。【高垣誠】

 [2010年5月10日10時26分

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