阪神金本知憲外野手(42)が、オリックス岡田監督への恩返しをバットで示す。スタメン復帰3戦目となる、21日のオリックス戦に5番DHで出場。「交流戦で会うの、楽しみにしてるよ」。右肩痛で連続フルイニング出場が止まった時、電話をくれた恩師が率いるオリックスを倒して、復活の勇姿を届ける。

 特別な一戦を前に、20日午前発の新幹線で博多をたった。向かった先は自宅ではなく甲子園。目的は右肩の治療に加え、室内練習場にこもっての打ち込みだった。野手は休日だったが、静寂の練習場で1時間、スイングチェック。言葉は発しなかったが、額に浮かべた玉の汗が気合を物語った。

 「ありがとうという気持ちしかない」。常々そう話す岡田監督への感謝は尽きない。阪神指揮官に就任した04年、自分の特長を見抜いて4番を任せてくれた。「優勝した打線を崩してまで、4番を打てと言ってくれた。ホームランを打って打点を挙げろ、と」。その年、初タイトルの打点王を獲得。翌年も40本塁打など打撃3部門でベストを更新して優勝に導き、日本を代表する4番になった。手首の骨折、不振に陥っても在任の5年間で4番は不動。全幅の信頼、心中覚悟で今の自分をつくってくれた。

 右肩が悲鳴を上げた4月、心から心配してくれたのが岡田監督だった。そして記録が止まった時、悔しがってくれたのも岡田監督だった。チームが変わっても男と男の信頼関係は不変。そして野球人としての恩返しは試合で打ち負かすことになる。フルスイング全開。金本が岡田オリックスを倒しに行く。【松井清員】

 [2010年5月21日10時59分

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