西武岸孝之投手(25)が右肩違和感のため1日、出場選手登録を抹消された。6月29日の日本ハム戦で今季ワーストの5回6失点。翌30日に首脳陣と話し合い、離脱が決まった。近日中に検査を受ける。潮崎投手コーチは「キャッチボールを見た限りでは、球宴より遅くなると思う。最悪の場合、もう1カ月かかるかもしれない」と話し、8月から9月に及ぶ長期離脱も覚悟する口ぶりだった。

 チームは中村、石井一ら故障者続出でも首位の座を守ってきたが、先発ローテの柱が抜ける危機的状況。岸は今季すでに9勝(5敗)をマーク。入団から3年連続2ケタ勝利を挙げてきたが、これまで肩ひじに大きな故障はなかった。潮崎コーチは「肩の張りは昨年からあって、だましだまし投げていたけど、悪いなりに完封もあった。今回は『ちょっと無理です』ということだった」と説明した。

 球団関係者によると「石井一がケガをしたこともあって、言い出せないでいた」という背景もあった。主戦投手としての責任でマウンドに立ち、ついに肩が悲鳴を上げた。渡辺監督は「10日間で戻ってくれたら一番いいけど、そんな簡単じゃない」と厳しい表情だった。入れ替えで、岡本篤が昇格した。代役の先発は3年目武隈らが候補となるが、簡単に穴をうめられる存在ではない。岸離脱で、2年ぶりV奪回を狙う西武が本当の正念場を迎える。【柴田猛夫】

 [2010年7月2日8時47分

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