<セCSファイナルステージ:中日4-3巨人>◇第4戦◇23日◇ナゴヤドーム
落合竜が3年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。CSファイナルステージ第4戦は同点に追いつかれた直後の9回裏、和田一浩外野手(38)のタイムリーでサヨナラ勝ちという劇的な幕切れ。感激したナインからサプライズ胴上げをされた落合博満監督(56)は宙に舞った後、声を震わせながら満員のファンに日本一を宣言した。圧倒的な投手力で巨人を粉砕し、落合監督にとっては古巣のロッテとの日本シリーズ(30日、ナゴヤドームで開幕)に向かう。
落合監督が子供のようにはしゃいだ。サヨナラ勝ちが決まった瞬間、無邪気な笑顔でベンチを飛び出した。殊勲者和田をつかまえて頭をたたくと、スタンドに向かって両手を突き上げた。その直後、サプライズが待っていた。森野ら選手たちにマウンド付近へ連れて行かれ、担ぎ上げられた。
「オレだってやらないつもりだったよ。でも、選手がこっちきなって言うからさあ。ハハハハッ」。
リーグ優勝時と同じく6度も宙に舞った。07年にリーグ2位からCSを突破した時は胴上げを拒否した。CSを日本シリーズへの通過点と考える指揮官は今回も胴上げなしの予定だった。それでも、勝利の舞は格別だ。「セ・リーグ王者の名に恥じないよう、フラッグを勝ち取りたいと思います!」。監督インタビューで声を震わせながら日本一を宣言した。
激しくペナントレースを争った巨人との決戦は相手の強力打線を4戦合計でわずか6点に抑える完勝だった。それでも落合監督は苦しい胸の内を明かした。
「振り返ってみればすべて初戦だろうな。あそこでもたついたら、こうはなっていない。まして、ソフトバンクがああいう負け方しているから、なおさら初戦の入り方が難しかった」。
同じく中17日でCSに臨んだパ・リーグ王者ソフトバンクは初戦を落とし、3位ロッテに敗れた。無意識のうちに最悪のシナリオが脳裏をよぎった。
だが、オレ流の危機管理は完ぺきだった。今季終了直後に全員を登録抹消し、ボーダーライン上の選手を競争させた効果は絶大。試合ごとにベストな状態の選手を起用する短期決戦用の采配(さいはい)を貫いた。この日も先発山本昌が5回1死二、三塁のピンチを招くと、勝利投手の権利まであと2アウトで交代を告げ、ピンチを脱出した。頭にあるのは勝利のみだった。
ここ2年間は王者巨人にシリーズへの道を阻まれた。「今年はペナントを1位で通過した。自分の庭でやるわけだから、負けるわけにはいかなかった」。守りの野球ができる本拠地で宿敵にリベンジした。サプライズ胴上げに照れた後、「もう1回、やらないといけないな」-。悲願のペナント、シリーズの完全制覇へ。指揮官の頭は、7日後に本拠地で始まる最終決戦へと切り替わっていた。【鈴木忠平】
[2010年10月24日10時47分
紙面から]ソーシャルブックマーク



