<西武7-4ロッテ>◇8日◇西武ドーム

 西武の主砲中村剛也内野手(28)が、若き左腕の背中を豪快にプッシュした。3点を追う3回2死一、二塁、2ボールからの外寄り142キロをバックスクリーン左へ38号同点3ラン。9月に入って5本目、早くも先月の数に並んだ。「ボール球を空振りしても1ストライク。思い切って」と、慎重な相手バッテリーをあざ笑うかのようにファーストストライクをフルスイングした。

 渡辺監督が「一振りでチームの流れを変えるバッター。よく打った」とうなった一撃でビハインドを帳消しにして、4失点した先発菊池に立て直すチャンスを与えた。「前回(8月31日の楽天戦)でいいピッチングをしてたのに、点を取ってあげられなかったから」と中村。4回には秋山のプロ初本塁打となる1号2ランで勝ち越した。

 秋山は「雄星が頑張っていたんで何とかしたかった」と振り返ったが、実際、菊池登板試合の援護はすさまじい。6試合でチーム打率3割1分6厘、1試合平均7得点。秘訣(ひけつ)は試合前のロッカールームにあるのかもしれない。栗山らが「今日は何点取られる?

 何点欲しい?」と聞き、菊池が「10点です」と返す。そこへさらに先輩選手が「ふざけんな(笑い)」とかぶせる。“お決まり”の和気あいあいとしたやりとりが、打線爆発に一役買っている可能性もある?

 その中心で気を吐く中村は、ついに1人でロッテのチーム本塁打数を超えてしまった。「統一球でホームランが出ない年だから、そういうこともあるんじゃないですか」。そんなせりふをサラッと言って、若手に勝ちをつける。崖っぷちのチームだが、こんなにも頼もしい男がいる。【亀山泰宏】