<阪神2-2巨人>◇18日◇甲子園

 首位独走の原巨人が「価値あるドロー」で前半戦を折り返した。先発沢村拓一投手(24)が3回に2点を先制される苦しい展開だったが、ジワリジワリと追い詰めて6、7回に1点ずつ返して追いついた。開幕直後は振るわず、4月22日には借金7の最下位に沈んだが、猛然と巻き返して貯金20の首位ターン。2位中日に4・5ゲーム差で25日からの後半戦に臨む。

 貯金20で折り返した。2点を先制されたが追いつき、同点になってからは継投策で失点は許さない。9回は山口が、併殺を含め3人で締めた。前半戦最後の阪神戦を終えた原辰徳監督(53)は、「価値あるドローですね」と締めくくった。

 春先では考えられない数字だ。4月22日、神宮のヤクルト戦では、早くも2度目の5連敗を喫した。順位は最下位だった。新聞紙上では「V率0%」など刺激的な見出しも躍る。大型補強を敢行し、負ける方がおかしいと周囲を消沈させるほどの無敵ぶりを予想させたが、フタを開ければ、まさかの大不振。ただ、そこからはい上がった。

 原監督

 今年はいいメンバーで戦いがスタートしました。その中でチームの誰しもが予想していなかった悪いスタートとなりました。メンバーは元気で、なおかつ結果が出なかったというのが非常に「いい栄養」というか「いい糧」となって、今現在も非常に肥やしになっていると感じます。

 負けを起爆剤にした。昨季は統一球に苦しんだ。今季序盤も同様の敗戦を繰り返した。そこから打破すべく、変わったのが1点へのこだわりだった。選手の能力に任せたゲーム運びよりも、ベンチワークを優先した。阿部だろうが高橋由だろうが、1点を奪うためにバントをさせた。コツコツとリードを保ち、継投で逃げ切った。その積み重ねが首位ターンとなった。原監督は「(4月の最下位を)経験したメンバーがしっかりと戦術を見つめながら戦えることができた。1点を取る、あるいは守る。そういうことに対して、1人1人が厳しく戦ってくれていたし、現状もそう」。選手個々の成長を感じていた。

 「チームとして、勝率はあまり考えない」。原監督は、ゲーム差や星勘定への言及は、時期尚早と言う。それでも、独走への強い意欲と信念を表明した。「まだ我々は戦い半ばですから、どうなるか分からないし、現状に満足していたり、過去形で話をするものではない。そういう状態で、突っ走っていく。そういうところですね」。投打のかみ合った現状のまま、無我夢中に「突っ走り」続ければ、おのずとペナントレースは独走となる。【金子航】