クライマックスシリーズのキーマンとなる日本ハム中田翔内野手(23)が、レギュラーシーズン終了後も、宮崎でのフェニックスリーグで「皆勤賞」を志願する。8日、今日9日のレギュラーシーズン最終戦(対ロッテ、QVCマリン)へ向けて、北海道から関東へ移動。新千歳空港で取材に応じ、実戦感覚を遠ざけることを嫌い、CS初戦まで“出ずっぱり”で汗を流すことを希望した。まずはポストシーズン初安打を目指し、チームを日本シリーズ進出に導く。

 ここまで143試合にすべて4番で出場し、今日9日のロッテとのレギュラーシーズン最終戦に臨む中田。「ここまで来たら早かったなぁとは思う」と話し、「疲れた」という単語を3度口にしたが、言葉とは裏腹に、思い描く調整法は超ハードなものだった。

 今日9日のロッテ戦を終えると、17日のCS初戦までの間に、調整のため宮崎でのフェニックスリーグに出場する。「オレにはまだまだ調整なんてない。全打席立ちたいし、できるだけ出たい。最近は実戦からも離れている。監督が決めることだけど、自分はすべて出たい」と言い切った。

 昨季の反省に基づいている。“調整”という気持ちのままフェニックスリーグに参加し、試合を消化。だが、迎えた西武とのCSでは8打数無安打とブレーキで、チームも2連敗で早々に敗退した。「短期決戦は難しいものがある。試合が始まってみて『あっ、調子が悪いな』と思ったら、もう終わってしまう」。

 5日の楽天戦で23号本塁打を放ったように、現在は好調を維持。CSが始まってしまえば立て直しがきかないだけに、状態をキープしたまま本番を迎えたい。「(フェニックスリーグは)若手中心のメンバーかもしれないけど、勝ちに行きたい」と、シーズン同様の緊張感で臨むつもりだ。

 代打で出場した2年目09年のCS、日本シリーズと合わせ、ポストシーズンは通算11打数ノーヒットと快音がない。前回とは立場も違い、4番打者がブレーキとなれば、チームの勝敗に直結する。責任の大きさを痛感しているからこそ、疲れた体にもう1度ムチを打ち、最高の準備をして本番を迎える。【本間翼】