新外国人はファイターや!

 阪神は4日までに獲得に動いていたブルックス・コンラッド内野手(32=レイズ)と大筋で入団合意に達した。中村勝広GM(63)は「何しろファイターだ。チームの雰囲気を変えられる選手」と闘争心あふれるプレースタイルを評価。パワーヒッターで、ムードメーカーにもなれる男が貧打解消の救世主だ。

 虎の新外国人は「特攻野郎」だった。この日までに、コンラッドと大筋で入団合意に達した。1年契約で、年俸は推定で100万ドル(約8000万円)。中村GMは魅力のひとつを明かした。

 「何しろファイター。セカンドでも、平気でヘッドスライディングで入っていく。チームの雰囲気を変えられる選手だ」

 ビデオでチェックしている際に、闘争心あふれるプレースタイルに目が奪われた。巨漢で緩慢な動きを見せる助っ人が多いが、コンラッドはガムシャラさが売りのようだ。

 和田監督が求めるタイプかもしれない。指揮官は元気印の新井良を春季キャンプから鍛え続け、シーズン中に4番に起用するほど重用した。ただ打てばいいというだけではない。チームが苦境に立った時、事態を打開するのは気迫や闘争心だ。阪神には気持ちを前面に押し出す選手が少ない。新外国人がその役割を担う可能性がある。

 今季は3Aで46試合に出場。打率3割3分1厘、14本塁打の好成績を残した。貧打解消が課題の阪神では4番候補の1人だ。中村GMは「4番、4番とプレッシャーをかけないでくれ。つぶさないでくれよ」と苦笑するが、長打力への期待は大きい。

 「(魅力は)パワーでしょう。ビッグパワーじゃないが…。逃げるボールに対応してなくていい。日本の投手はそれほど内側をついてこないしね。あとは高低の見極めができれば。三振も多いが、四球も取るんでね。機能してくれたら、と思う」

 両打ちということで、相手投手に変化球で外角に逃げられるという状況は少なくなる。それだけで日本球界に対応できる確率は高くなる。一、三塁だけでなく、二塁の守備も可能。内野のレギュラー陣に故障などのアクシデントが発生しても、コンラッドが穴を埋めてくれる。パワーがあって、便利屋で、なおかつファイター。ホンマか?

 という助っ人の来日が今から楽しみだ。【田口真一郎】<ブルックス・コンラッド

 アラカルト>

 ◆生まれ

 1980年1月16日、米カリフォルニア州生まれ。

 ◆球歴

 01年ドラフト8巡目でアストロズに入団。アスレチックス、ブレーブス、ブルワーズを経て、今季途中にレイズへ移籍。今季は49試合で打率1割3分3厘、4本塁打だったが、3Aナッシュビルでは21試合で打率4割5厘、10本塁打、28打点。メジャー通算では280試合で打率2割7厘、18本塁打、71打点。

 ◆器用さ

 スイッチヒッターであり、守備でも本職の一塁以外に二塁、三塁を守ることができる。

 ◆勝負強さ

 10年にはブレーブスでシーズン2本の代打満塁弾を放っており、チャンスに強い強心臓も売り。

 ◆サイズ

 178センチ、86キロ。右投げ両打ち。