晴天の宮崎でカミナリ!

 ソフトバンク大場翔太投手(27)が9日、春季キャンプの練習に約40分遅刻し、今日10日からのB組(2軍)降格が決定した。なんと12時間も眠り続けた末の寝坊。“前科”もあるだけに、秋山監督から「責任と自覚を持て」と叱られた。6年目右腕が自らの失態で1軍争いから脱落。代わって甲藤啓介投手(29)が昇格する。

 タクシーを飛び降りた大場の頰は引きつっていた。ナインがウオーミングアップで体をほぐしている球場を目指しての猛ダッシュ。目は泳いでいた。すでに練習開始から40分が経過していた。

 「朝、マネジャーの電話で起きました。その時点で9時を過ぎていて…」

 言い訳できないミスに平身低頭するしかなかった。前日8日はキャンプ休日。投手と捕手で親睦を図るバッテリー会で夕食をとり、早々と宿舎のベッドに入った。ところが「夜9時に寝たのですが、なぜか起きられませんでした」と12時間も眠り続けてしまった。

 この日は第3クール初日でシート打撃が開始。首脳陣は大場を〝開幕投手〟に指名していたが、遅刻によって4番手へ下げた。全体の流れに影響が出るため練習こそA組(1軍)でやり通したが、今日10日からのB組降格が命じられた。

 そもそも大場は、陽耀勲の契約遅れに伴って急きょA組(1軍)に昇格した身だった。せっかく転がり込んだチャンスを自らの熟睡によって手放した。高山投手コーチは「かわいそうな面もあるが、こればかりはかばいきれない」とため息をつくばかり。秋山監督は「責任と自覚を持ってだな。反省を生かさないと」と厳しく突き放した。

 大場は入団2年目の09年にも先発ローテーションの立場ながら試合前練習に遅れた。4年目の11年1月には和田(現オリオールズ)との自主トレでも遅刻し、丸刈りになるなど〝前科〟があった。松井秀喜氏のように遅刻癖を吹き飛ばす実力と成績があればまだしも、昨年も2勝で、1軍生き残りに崖っぷちの立場だ。再犯での降格に「自分の責任なんで、B組でやり直します。監督さんには自覚を持てと言われました」。

 ソフトバンクのキャンプでは昨年も、2年目19歳でA組に抜てきされていた捕手山下が遅刻で降格しており、秋山監督は2年連続でカミナリを落とすはめになった。【押谷謙爾】