不退転の決意でストッパーに返り咲く。日本ハム武田久投手(36)が5日、球団史上最大の減俸を受け入れて復活を期した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で契約更改交渉に臨み、年俸2億4000万円から1億6000万円減の8000万円プラス出来高払いでサインした。今季は守護神として開幕1軍も、不調で9試合登板にとどまったが「やる自信があるからやめない」と、抑えの座を奪い返す強い覚悟を見せた。

 前だけを見据えた。不本意な1年を受け止め、覚悟を決めた。武田久は来季、再び守護神を目指す。「抑えをやることしか考えていない。そこを目指さないと、モチベーションを保てない」と言い切った。球団史上最大のダウン幅も納得の数字だ。「今年の状況で8000万円。僕は、すごく重みを感じる。(球団に)感謝している」。失ったポジションを奪い返すチャンスを得たと捉えた。

 数々の修羅場を乗り越え、プロを生き抜いてきた誇りが再起へ突き動かす。「5年くらい抑えをやってきた。プライドは持たないタイプだけど、こういう状況になった時に多少プライドは持たないと、と思った」。09年から今季開幕直後までストッパーを務めてきた。チームに1人しかいない役目を全うしてきた。通算167セーブは球団歴代1位。簡単に引き下がるわけにはいかない。

 厳しい争いが待っているのも承知の上だ。今季は4月にインフルエンザ感染で離脱すると増井が新守護神となった。来日1年目のクロッタも一時期、抑え役を務めた。150キロ超えの直球を武器とする剛腕2人との競争となる。「状況的には厳しい。でもライバルとかじゃない。自分の状態が良ければ。そこが大前提ですね」。周囲ではなく、自分自身に勝つことを目標とした。

 クローザー復権へ、自信はある。今季終盤は、あえて2軍で来季を見据えてじっくり調整してきた。手応えをつかみつつある。「やる自信があるから(現役を)辞めない。いろんな葛藤があった。根拠はないけど、まだやれる。まだユニホームは脱ぎたくない」。1つ1つの言葉に、力がこもった。何もできなかった1年に区切りを付け、おとこ気あふれる思いを13年目にぶつける。【木下大輔】

 ◆日本ハムの今季抑え事情

 開幕は武田久が務め、5試合目で今季初セーブを挙げたが、翌日の4月3日ソフトバンク戦で、9回から登板し2失点で逆転サヨナラ負け。同8日に登録を抹消し、増井が代役を務めた。6月25日DeNA戦で、2戦連続で救援失敗の増井に代わりクロッタが来日初セーブ。8月上旬に故障離脱したクロッタに代わり、増井が同13日に約2カ月ぶりのセーブで復帰し、シーズン終了まで務めた。