社内運動会ならぬ、球団運動会で一致団結だ!

 楽天は5日、沖縄・久米島キャンプの休日に全選手参加の大運動会を開催した。戦いの号砲は伊志嶺の選手宣誓からだった。「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々戦います!」。若手からベテランが入り交じった、ポジション別6チームが火花を散らした。

 1位になれば第2クールでの「ランニング免除権」が手に入る。逆に下位になれば走り込みの強度が上がる。全選手の目が真剣だった。「ぐるぐるバット」でベテラン川井が目を回せば、ドラフト1位の安楽智大投手(18=済美)は「あめ玉探し」で豪快に顔面を真っ白にした。新外国人のサンチェスやウィーラーは真剣な顔で「利き泡盛」を行ったが、全部外した。

 波の音をかき消すほどの歓声と笑い声。誰よりも笑っていたのは大久保監督だ。「上も下も関係なく、バカバカしいことを精いっぱいやってくれる。こんなチーム他にはないよ!」。狙い通りの一体感が生まれていた。きっかけは昨年の2軍監督時代に同様に運動会を行ったこと。休日だが完全に体を休ませたくない。楽しく運動ができて、絆も深まるイベントを考えていた。

 楽しいばかりではなく、実利もある。「新任コーチが多く、選手の人間性や性格を見てもらうのも大きな要素」と遊びの中に出る、キャラクターを共有させたかった。この日、目に留まったのはドラフト4位のルシアノ・フェルナンド外野手(22=白鴎大)。ポルトガル語で叫び、陽気に顔を白くする姿が心に残った。「明るいし、足速いな。ユニホーム組に印象付いたでしょ。キャラだけで1軍あるかも」と大絶賛だった。

 優勝した「チーム右投手の背番号後半」キャプテンの小山伸の言葉に全てが詰まっていた。「こうやってみんなで一致団結して、運動会ができて最高!」。日本一奪還へ、チームスローガンを体感するすてきな休日となった。【島根純】

 ◆楽天運動会ルール

 チームはポジション別(キャプテン名)に分かれており、「右投手の背番号前半(青山)」「右投手の背番号後半(小山伸)」「左投手(川井)」「捕手(小山桂)」「内野手(後藤)」「外野手(松井稼)」の6つ。1チーム12~13人。外野手には昨年限りで引退した中島俊哉ジュニアコーチが参加。全選手がどれか1競技に参加することが求められた。全体ではドクターが2人準備し、各チームにはケガ防止でトレーナーがついた。