トットナムのトーゴ代表FWエマニュエル・アデバヨル(30)が、母親のアリスさんや姉のマギーさんら家族と深刻な絶縁状態にあることが分かった。

 アデバヨルは09年2月に、08年度のアフリカ最優秀選手賞を受賞。式典ではアリスさんに対し、「世界で1番の母だ」と感謝の言葉を述べ、同賞をささげていた。そんな仲良し親子に何が起きたのか。

 マギーさんがガーナのラジオ局「ピースFM」に語ったところによると、アデバヨルが突如、アリスさんらをトーゴに所有する自宅から追い出したのだという。

 それから1年以上、電話をしても出てもらえず、アリスさんらはトーゴとガーナの国境沿いでポリ袋やカギなど雑貨を売る生活を強いられている。

 マギーさんは「母はお金のためにエマニュエルに会おうとしているんじゃない。ただ彼のことを愛しているから、連絡をしているだけなのに」と話している。

 一方、アデバヨルもピースFMのインタビューに対し、「母たちは自分で出ていったんだ」と主張。両者は真っ向から対立している。

 そして長い間、家族からの電話に出ない理由については「彼女たちは僕のサッカー人生が終わるように、黒魔術をかけているんだ」と話し、なんと母親が魔女だと主張。「なんでそんな人たちと連絡を取り合わなければならないんだ。僕は自分のことに集中することにしたんだ」と説明している。

 どちらの話が真実かは分からないが、アデバヨルは09年にアフリカ最優秀選手賞を獲得した際、英デーリーメール紙に「空港で母が『フランスへ行きなさい。そして私たちの生活を変えるの』と言ったんだ。彼女は僕がサッカーで成功すれば家族が貧困から抜け出し、良い生活ができることを知っていた。僕は15歳の時から家族のためにプレーしてきたんだ」と家族の絆について話していた。

 そんな血のつながった親子が、口も聞かずに、顔も合わせないというのは悲しすぎる。なんとか元の仲の良い家族に戻ってほしいと思うのは筆者だけだろうか。